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2008年10月20日

『母なる夜』

人から愛されることがあまりにも少ないという嘆きのせいで動けなくなったのではない。わたしは昔から「愛なしですませ」と自分に言い聞かせていたのだから。
神は冷酷だという考えのせいで動けなくなったのではない。わたしは昔から「神にはいっさい依り頼むな」と自分にいいきかせていたのだから。
わたしを身動きのとれぬ状態に追い込んだものは、どちらの方向へ進む理由も全くないという事実であった。それまで、生命も意味もない長年月にわたってわたしを動かしてきたもの、それはもっぱら好奇心であった。

最後のフレーズ、寛次郎さんも言ってたような。このヨノナカを見るために生まれてきたってだけで十分だよな。
って言いながら、序文でこの物語のもうひとつの教訓として「愛するひととできるだけ一緒に寝てあげなさい、それはみなさんにとってほんとうに好ましいことですから」とか書いてあるし。アイオアで書かれたこの序文と、なんどか出てくる「アウフ・ヴィーダーゼーエン」のせいで、『ホテル・ニューハンプシャー』を思い出した。
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投稿者 chiaki : 2008年10月20日 22:53

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