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2009年02月01日

『オレンジだけが果物じゃない』

女の子は14歳になったらライ麦じゃなくてこっちを読めばいいと思う。
わたしは男の人を敵と思ったことはなかった。思う必要もなかった。教会の女たちは、みな強くて有能だった。権力なら、わたしはムッソリーニを満足させてお釣りがくるぐらい持っていた。
説教壇でさんざん成功し、そのせいで今度は説教壇を追われ、わたしはまったくいい面の皮だった。なるほど悪魔はわたしのいちばん弱い部分を突いてきた。女であることの限界に、今の今まで気づかなかったという弱点を
わたしは海を渡ることも日に灼かれることも、持てるすべてを失うこともいとわない。ただし男のためにそれをやろうとは思わない、男たちは壊そうとするばかりで壊されることを嫌うから。
ああ、主人公はいわゆるレズビアンなんですよ。でもほんと、ユーモアと皮肉がいっぱいで、もちろんいい大人が読んでもおもしろい。カルトな母親とその周りのひとたち、いくつかの挿話、オレンジの悪魔と茶色の小石、きっと岸本訳はそうとういいんだと思う。時代がいつ、というのが最後までわからなかったけど、イギリスの田舎に行ってみたい。
Amazon:『オレンジだけが果物じゃない』

母と娘という関係の小説って今までそれほど読んだことがなかった気がする。ふと自分が14歳だったとき、母は今のあたしとそれほど歳が違わないわけで、たいへんだったろうなと想像する。

投稿者 chiaki : 2009年02月01日 15:04

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