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2007年03月15日

『生きることと考えること』

生きることと考えること森 有正
こんな本読んでると心配されそうで、たしかにウダウダ悩んでるんだけど、この本はいわゆる自己啓発とかではなく、森さんという哲学者へのインタビューみたいな本です。
親愛なるミスター・ヴァーティゴから経験主義者というシールをおでこに貼られて、そのことを思い出すたびに想像力の足りなさを指摘されているようでコンプレックスだったのだけど、それでもいいのだとこの本を読んで力づけられた。
わたしは嘘つくのは面倒くさいし、「・・・と思われます」なんて言いたくないから、「ことばの自己回転と理解の過剰」ではなくことばを自分のことばとして使う。「個的なものと普遍的なものとが、自分の名前」を与えることによって「自分のなかの経験に結び付けられて普遍的なものになる」っていうのは素敵に聞こえる。「愛とは・・・」なんて語るのではなく、「これが愛か!」と気づくようなのがそうなんだと思う。
ただこの本には「もの」については書かれているけど他(者)については書かれていないように感じた。自分のことはこれでいいけど、人のこととなると想像力を働かせるより仕方ないのかな、と思う。

投稿者 chiaki : 2007年03月15日 23:00

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