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2006年04月20日

こころの王国

こころの王国文藝春秋 猪瀬 直樹
『マガジン青春譜』をだいぶ前に読んで菊池寛にはとても関心がある。けど作品は読んでないなぁ。
これは秘書の女性の告白形式で菊池寛のことが書いてあるんだけど、あの猪瀬さんが女ことばで書いたんだと思うとちょっとヘン。
主人公の住まいが台東区の竜泉の西徳寺のそばという設定で、このお寺にはわたしの祖父母が眠っていて、たぶん両親もここに入るんだと思う。大正時代の話なのでもちろん今とはだいぶ違うけど、酉の市の描写も子供の頃をちょっと思い出した。ここに眠る祖父がよく『オール読物』を読んでいて、一緒に住んでいた小学校高学年の頃、エッチな部分だけ盗み読みしてたのを思い出した。
横浜の描写では実際に今もある建物や場所の距離感がわかっておもしろい。もう片方の祖父母が、戦前だと思うのだけど、ホテル・ニューグランドの前で寄り添う写真を見たことがある。祖父はとても男前でお洒落で、祖母は新婚で幸せそうな写真だった。
そこでふと考えた。アメリカに行ってみるのも悪くないかな、と。アメリカの現代小説が好きだけど距離感や土地の様子がまったくつかめないことが多い(しかもわたしの読む小説の主役クラスの人物は逃亡したりすることが多い)。知っている場所が書かれていればもっと作品が近くなるかも。

投稿者 chiaki : 2006年04月20日 22:28

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コメント

アメリカに行ったことあっても、小説を読んだことのないわたしです。宝の持ち腐れかもしれません。日本に帰ってきてからも全然本を読んでないんだけど、読み始めるときは、アメリカの話かなって気になったよ。

投稿者 Washy : 2006年04月24日 09:07

Washyさん
今『ハックルベリ・フィンの冒険』読んでるんですよ。
前書きにあたる「ちょっと一言」でトウェインが「南部地方の未開拓地の方言」と書いているところの注釈に「アーカンソー州のさまざまな町の人たちの言葉」とあってWashy夫妻やdeさんはそんなのをリアルにイメージできるんだろうな、と思ってうらやましかったです。

投稿者 chimay [TypeKey Profile Page] : 2006年04月24日 19:57

飛行機に乗ることさえガマンできれば、ホンモノのアーカンソーの土をイヤって言うほど触らせてあげることができるでしょう(なんだか英語の構文の日本語訳みたいになっちゃった)。

投稿者 de : 2006年05月03日 23:09

deさん
if文の定型?
畑仕事と犬の世話しながら英語を習うなんて生活してみたいですよ〜。

投稿者 chimay [TypeKey Profile Page] : 2006年05月04日 13:24