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2006年06月29日

『山椒魚戦争』

山椒魚戦争岩波文庫 カレル チャペック 栗栖 継 (訳)
古い本ですが今年のべストかも。
『園芸家12ヶ月』『ダーシェンカ』などは読んだことがあったけど、こんな面白い作家だとは知らなかった。しかも戦争中は発禁になるほどの本だったらしい。
知能をもった海に棲む山椒魚の労働力によって海洋に陸をつくる計画があるのですが、この二つの大きな島の名も、あらかじめ「新日本」ときまっていて、どちらの島にも、人口火山までつくることになっていたが、それは将来、これらの島に住む人たちに、聖なるフジヤマを思い起こさせるためだったり、深海魚の卵黄嚢についての報告をした山椒魚がいて、その論文をあえて引用した日本の学者オノシタ博士は、学界からボイコットされて、ハラキリを行ったり、などなど海洋国日本もしばしば登場します。チェコは海のない国なのでそこに行くことのできない山椒魚がチェコの歴史についてチェコ人と語り合うシーンがとても印象的です。
チェコ、ポーランドあたりの作家も読み始めたい。興味のある人はぜひ読んでみてください。オススメです。

投稿者 chiaki : 2006年06月29日 22:03

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コメント

なんか、モノスゴク面白そうですね。
あんまり関係ないですが、
少年の頃、安部公房にハマっていたコトを
なぜか、思い出してしまいました。

投稿者 Pin : 2006年06月29日 23:39

Pinさん
安部公房は『砂の女』を読んだような記憶があるけど内容は覚えてないなぁ。岸田今日子が映画やりませんでしたっけ?
『山椒魚戦争』をぜひ夏休みの課題図書に!(もちろんお子さんではなくPinさんですよ)

投稿者 chimay [TypeKey Profile Page] : 2006年06月30日 22:58

課題山積みですが、
『山椒魚戦争』
いっときます。

そうそう、岸田今日子です。

投稿者 Pin : 2006年06月30日 23:27

Pinさん
そんな忙しいPinさんには『園芸家12カ月』の方がオススメかも、です。
うちの近所のゴーヤ栽培家の棚に黄色い花を見つけました。
最近わたしはズッキーニにはまってます。(もちろん買ってくるのだけど)

投稿者 chimay [TypeKey Profile Page] : 2006年07月01日 18:11

ズッキーニいいっすね(お腹空いてきた)。
なんちゃって「園芸家」なので、チェックしてみます。
何となく思い出したので、調べたら、
カレル チャペックって「ロボット」という言葉の
元になった戯曲を書いてた人ですよね。
安部公房は「R62号の発明」って社会風刺的な作品を
書いてるんですけど、
たぶん、どこかで読んだ解説で
カレル チャペックが出てきたのが頭のどこかにあったんだな。

投稿者 Pin : 2006年07月02日 00:26

Pinさん
そうそう「ロボット」のチャペックさんです。
SFってあまり興味がなかったのですが、社会風刺(批判)がダイレクトで面白いなぁと思う今日この頃です。
『R62号の発明』もちょいと見てみます。

投稿者 chimay [TypeKey Profile Page] : 2006年07月02日 12:20