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2006年07月03日

『芸術起業論』

芸術起業論幻冬舎 村上隆
先日、村上隆や奈良美智などの現代アートはわからん、と書いたけどわたしは分かりたかったのです。丁寧でやさしい言葉で書かれたこの本でそれらの見方(=見てるだけじゃダメなのだけど)と村上さんが目指すところを理解することができたと思います。
漫画やアニメは暴力やセックスの描写が過剰という理由で好きではないのですが、壊れた世界で命を燃やさないといけないお金持ちの「物足りなさ」が芸術にむかいますから、金銭ですべてを解決してきたはずの富裕者の見えない欲望を確認するかのように、精神異常者の作品や性的虐待を含む作品が求められるときもあります。という説明になるほど、と思いました。
10年以上前のコム・デ・ギャルソンの洋服が消耗品であるのに、ヤフオクでけっこうな値段で取引されているのを見ていて、ある程度長いタイムスパンで流通する仕事について考えていたところ、村上さんはもっともっと長い時間「市場」に残る作品というのを意識していることを知りました。
芸術家のための起業論というよりもビジネス書として普通のサラリーマンでも十分楽しめると思います。

マチスのフォームというのは現代のいろんなデザインに影響を及ぼしているというのにはすごく納得。
わたしは高校生の頃、体育祭のときマチスの「王の悲しみ」を模した8m×4mくらいの旗を作ったことがあります。反対を押し切ってデザインを決めたような気がしますが、小学生のときの美術の教科書で見てからずーっとマチスが好きなのです。
いつか、一度テレビで見たマチスの教会に行ってみたい。

投稿者 chiaki : 2006年07月03日 21:26

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