2014年09月14日

『レジリエンス 復活力--あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か』

瞑想とかマインドフルネスといったキーワードからレジリエンスについて知りたくなったのだと思う。

システムの脆弱性を増幅するのは複雑さ、集中度、同質性であり、レジリエンスを高めるのは適正な単純さ、局所性、多様性である。
「社会的証明」つまり、ひとはどんな種類の報奨よりも、周囲の人々の行動に影響されるという概念だ。(中略)レジリエンスが発揮される環境を整えるには、システムをモジュール化し、ネットワークを構成し、オープンで汎用性の高いプロトコルで連携すること。分散された構成要素に人工知能を吹き込むこと。人々に正しい情報と動機を与えること。このようなシステムは自己と周囲の状況を完治し、混乱を予測し、動的に活動規模を調整し、必要に応じて局所的な活動に移行したり、異常箇所を文理できるようになる
社会心理学者が「ハーディネス(強靭さ)」と呼ぶ性質であり、大まかに言って三つの信念が土台となっている。(一)人生に有意義な目的を見出せるという信念(二)自分が周囲の状況や出来事に貢献できるという信念(三)経験はよかれ悪しかれ学習と成長につながるという信念。こうしたことをふまえると、信仰心の厚い人々にも比較的高いレジリエンスが備わっているという研究報告は何ら矛盾を生じない
瞑想訓練を終えた被験者は、対照群と比較して、マインドフルネス(経験を思考の動きにとらわれることなく観察できるようになること)の感覚、人生の目的意識(人生を意義深く価値あるものと考え、長期的な価値基準をもつこと)、認知的制御力(自分の人生と周囲に対する任地を制御する力)が大幅に高まり、神経的傾向(否定的感情)が定価した
人間には生まれながらのリスク許容度が染み付いていて、ある領域でリスクが軽減すると、意識的であろうとなかろうと、自分が快適と感じるリスク温度に戻るまで、ほかの領域でリスクを引き上げるというのだ
確証バイアスとは、情報の信憑性を確認することなく、自分の思い込みや偏見、仮説などを裏付ける情報を選択的に受け入れる人間の性質をさしている。(中略)確証バイアスは、自分が賛同できないメッセージを遠ざける原因になるだけでなく、遠ざけることのできないメッセージの解釈を歪曲する原因にもなっている

パラオの通訳型リーダーとレッドチーム大学のエピソードと、レジリエンスが発揮されなかった例としてのリーマン救済のための金融トップたちの会議の話がとても印象的だった。
情報は透明に提供され、効率や最適化を最優先させるのではなく、長期的視野にたった対話によって安定化を図る、そのための努力を惜しんではいけないと学んだ。

『レジリエンス 復活力--あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か』

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『文化系女子という生き方~「ポスト恋愛時代宣言」!』

女性は男性とは違って、同性にも異性にも感情移入して物語を楽しむ訓練をしてきている、ってところはなるほどな、と思った。役割を変えるおままごとのロールプレイングがそれなんだろう。
理科系という対立軸ならわたしは文科系だろうけど、体育会系という軸なら違うと思っていたけど、この本を読みながらわたしはやっぱり文科系じゃないと思った。教養ないし。

『文化系女子という生き方~「ポスト恋愛時代宣言」!』

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2014年09月07日

『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』

スティーブ・ジョブズみたいに亡くなったひとの話でもないので、それほどドラマチックではなく、いろんなサービス立ち上げのときのエピソードが淡々と書かれているのがすごく気に入ってしまった。それだけに、息子がこんな人物だと知らずにいた実父のエピソードが際立って素敵でもあった。

アマゾン社内では、いま、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、ラリー・エリソンなどと同じようにベゾスも共感の能力が一部かけていて、だから貢献度を考慮することなく消耗品のように社員を扱えるのではないかと言われている。
合意形成を求める自然な感情、「社会的結束」をベゾスはとても嫌っている。だから数字と情熱を武器に議論を戦い抜くことを部下に求め、アマゾンのリーダーシップ14ヶ条にもそう明記している。
気骨を持てー反論し、コミットしろ リーダーには、賛同できないとき、まっとうなやり方で決定に異を唱えることが求められる。そうするのは気が進まない場合や大変だと思われる場合も、である。リーダーは、信念をもってねばり強く行動しなければならない。社会的結束を優先して妥協するなどもってのほかだ。そして、リーダーたる者、最終決定が下されたら、それに全力でコミットしなければならない。

ITの偉人たちと自分をならべるのはおこがましいが、自分の共感力の弱さについてはもう諦めかけてる。社畜ぽいけど、気が進まない場合でも信念を持って、ってところは重要だよな。

最後に出てる愛読書リストも素敵だ。とくにカズオ・イシグロの『日の名残り』、わたしもあの本は大好き。
日本語に翻訳されてないこの二冊が気になる。
『Creation: Life and how to make It』
『Data-Driven Marketing; The 15 Metrics Everyone in Marketing Should know』

『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』

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『アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために』

仮上司からmid year reviewで、コミニュケーションについて指摘があり手っ取り早く流行ってる本を読んでみたけど、これ読む限りあたしのコミニュケーションには問題はないように思った。シンガポールボスにもコメントを求めたらしいのだけど、she is direct, but i don't mind ってことだったみたいだし。
会社の仲間には言いにくいことだけど、みんなの意見を吸い上げて妥協点を見つけていくのがリーダーの仕事みたいに思ってるひとはたくさんいるけど、数字出してなるべくシンプルな方法を選択していくことのほうが重要だと思うのだけどな。
自己受容、他者信頼、他者貢献ってのがキーワードみたいだけど、あたしは自己受容しすぎなのかもしれない。そして基本的に誰でも信頼するから嘘つかれるとかなり驚く。あとは他者貢献、これをしばらくは頭のなかのわかりやすいところに張り付けておきたい。

『アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために』

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2014年08月17日

『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』

日本でも地域格差や地方の自治体消滅なんて問題があるけど、なんかヒントがこの本にある気がする。もっと小さいレベルで会社ひとつとっても同じなんだろうと思う。

『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』

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『スモールハウス 3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方』

3坪で暮らせる自信はあるが、セルフビルド、日本の湿気、犯罪や盗難などの危険、というやっかいさはある。本のなかにあるようなスモールハウスビレッジみたいなものがあればいいのになぁ。
寝太郎さんのブログはほとんど全部読んだ。生きにくいことには共感するけど、ほんとにあの生活やれるのは気力が必要だよな。ナリワイ、made by hand, スエロ、こういう本読みたくなるのってやっぱり今の仕事=生活に疑問を抱いてるからなんだろうけどなかなか実践はできない。ただ環境やエネルギー問題に大声だしたりデモしたりするなら、こういう生活を生きることのほうがマシだとは思う。

『スモールハウス 3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方』

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『ピエール瀧の23区23時』

いまではディズニーで声優やったりNHKの連ドラや大河ドラマでる俳優だけど、地井武夫さんみたいなこともやってるなんて知らなかったよ。今年で電気グルーヴ25周年、world happinessで見れてよかった!腹出ても、もし禿げてもカッコいいおっさんのひとりだ。

『ピエール瀧の23区23時』

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2014年07月20日

『スエロは洞窟で暮らすことにした』

原題はthe man who quit moneyなのにパウロ・コエーリョの小説みたいな邦題になってしまっててとても残念。マークボイルの『ぼくはお金を使わずに生きることにした』も読んだ記憶があるのだけど、あの本はマークがサバイバルを楽しみながら書いた自著だった気がする。そに対してこの本は、もともと信仰心の強い家族のもとで暮らしていたり、鬱だったり、ゲイだったり、自殺未遂を起こすほどに苦労しながらも、スエロが穏やかにお金を使わずに暮らすようになるまでのポタージュなのだと思う。もう五十代半ばのスエロに最後にどんな風に死んでいくのかを尋ねていない点が物足りなかった。
この冬に行ったボルダーは1980年代ニューエイジの都だったと書いてあった。たしかにデンバーとは違った西海岸のような雰囲気を感じる場所だった。ユタ、コロラド、アリゾナ、ニューメキシコの砂漠地帯に行ってみたい。

『スエロは洞窟で暮らすことにした』

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2014年06月30日

『ぼくがジョブズに教えたこと――「才能」が集まる会社をつくる51条』

似たような本ばかり読んでいる気がしますが図書館でずっと予約待ちだったのがようやく回ってきたりしてるだけなんです。既に知ってるエピソード満載だったのだけど、もしかしたら先週読んだ『君に友だちはいらない』にもアタリの話が載っていたのだったっけ?ジョブズに教えたこと、というのはジョブズが質問してきたり要求してきたりしたことの答えみたいで、それによって著者が学んだということなんだろうか。

『ぼくがジョブズに教えたこと――「才能」が集まる会社をつくる51条』

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2014年06月28日

『君に友だちはいらない』

友だちの話をしてるわけではなく、チームアプローチの話をしているビジネス書らしいけど、自分で仲間を集めて起業するならともかく、普通に会社にいたら上司も同僚も選べないわけで、そのなかで自分がどう振る舞うかについては考えさせられるものの、合理的なひとばかりの集団の性能や実績が必ずしもよいとは限らないのではないか、と社会人20年くらいになると思ったりしました。わたしは非合理的なことについて仕事では文句ばかり言ってるけど、ほかのひとはその非合理こそが仕事だと思っているようなふしがあります。7人の侍は見たことないので見ようと思います。

『君に友だちはいらない』

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2014年05月25日

『共感する女脳、システム化する男脳』

いろいろ衝撃的だった。文化的社会的性差以外に、生物学的に性差があるなんて。
巻末にあるEQSQテストでは、わたしは共感力がかなり低めでシステム化力は日本人男性の平均のちょい上くらいだった。小さな子供だったころ、友達と人形遊びをしていても、どちらかというと建築家やインテリアデザイナーのように箱を作り上げることが好きで、そのあとのロールプレイにはあまり関心がなかった記憶もある。中学生くらいになると、父からは数学や物理を勉強しろと、から母親にはひとにもっとやさしくしなさいと言われ続けていた。しかし数学はできないまま文系卒だし(でもなんとかシステム化することを仕事にしてる)、でも男脳に強くあらわれるといわれる組織をコントロールすることにはまったく関心がない。そして子供のころから物語を読むのが好きなのに、無駄なおしゃべりが苦手で、誰とでも軽口を叩いてコミュニケーションするひとたちにあたふたしてしまう。
人差し指より薬指が長いひとはいわゆるシステム脳だ、なんて血液型占いくらい信憑性のない話だと思っていたら胎児のときのホルモンの浴び方で指の長さに傾向があって男性は薬指のほうが長いらしい。と思って自分の手をみるとやっぱり薬指が長い。っていうか、人差し指のほうが長いひとなんているの?って思ったくらいだ。
システム化が極端に強く出る傾向にあるひと(自閉症やアスペルガーがそうらしい)でも社会性は要求されるのに対し、共感力が極めて高くシステム化力が低いひとというのは社会的に生きにくいことは少ないので病例としてないという。しかもこのS(システム化力)とE(共感力)はゼロサム傾向にあるらしい。
どおりでいろいろ生きにくいわけだな、と思う。そしてセクシャルマイノリティのひとに強いシンパシーを覚える。こんな自分だから偏見は少ないほうだと思っていたけど、システム化傾向が強くでると他人のことを受け入れないというのも極端な男脳の傾向らしいので気をつけていかなければならない。

なぜこの本を読んだかというと、勉強会でディスカッションをリードする役を引き受けたためです。「男脳と女脳」という議題でシステム屋ばかりで話し合います。緊張するけどちょっと楽しみではある。

『共感する女脳、システム化する男脳』

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2014年05月19日

『ルールを変える思考法』

ちょうどこの本を読んでいるときに、著者の川上量生氏が会長をつとめるドワンゴがKADOKAWAと経営統合が発表された。新会社名は「KADOKAWA・DWANGO」。で新会社会長にはかわんご氏が就任するらしい。プラットフォーム会社とコンテンツ会社の幸せな結婚なのかもしれないけど、カドカワの本なんて全然読んでないな、と思ってたらなんとこの本が角川EPUB選書という。角川EPUB選書、generation Xぽく、注釈が同じページの下にあるのがすごくいい。紙の質も軽くて開きやすくてとてもいい。
..ってこれコンテンツもプラットフォームも関係ないじゃん。

『ルールを変える思考法』

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2014年04月29日

『ROADSIDE USA 珍世界紀行 アメリカ編』

珍日本紀行に比べるとやっぱりエログロも空気の乾燥によってさっぱり見えるのはわたしの偏見なんでしょうか。

『ROADSIDE USA 珍世界紀行 アメリカ編』

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2014年04月26日

『「若作りうつ」社会 』

実際の年齢より上には見られたことないのは自慢でもなんでもなくダメだしされてると自覚して早十年の41歳の春(バカボンのパパと同じ歳)。アンチエイジングに精を出す美魔女という方向性ではないけど、毎週2回ヨガやって3回水泳やってるなんていえば、若さに執着してると認定されても仕方ないだろう。元サブカルチャー好きな郊外育ち、いまは片隅だけどいちおう都内住みだし、自分探しすぎて毒女だし、成熟もしてなければ落ち着いた居場所もない、そりゃ若作り認定だわ、と反省はするけどどこにもロールモデルはいないし。後半の章で書かれているとおり、Jrである我々よりも親たち団塊世代がそもそも「若作りうつ」なんじゃないかと思う次第であります。

『「若作りうつ」社会 』

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2014年02月15日

『脇阪克二のデザイン ―マリメッコ、SOU・SOU、妻へ宛てた一万枚のアイデア』

マリメッコが脇坂さんに与えたインパクトの大きさはいまのSOUSOU見てればなんとなくわかるのだけど、ラーセンの仕事を写真じゃなくて実物をもっと見てみたいと思った。

『脇阪克二のデザイン ―マリメッコ、SOU・SOU、妻へ宛てた一万枚のアイデア』

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2014年02月11日

『昨日までの世界―文明の源流と人類の未来』

領土問題、戦争、子育て、高齢者介護、宗教、多言語教育などの各章を興味のあるところから読んでみたけど、どれも単にニューギニアと西洋文明の比較にとどまらず、でも著者が実際フィールドで経験したニューギニアのエピソードはどれも鮮やかでより興味深い。上巻の戦争の章と下巻の宗教の章は後回しにしてたら、返却期限がきたので読みきれなかった。

子育ての章ではアロペアレンティングに触れられていて、30代の初めころコリン・ターンブルの「豚と精霊」読んでコミュニティで子供を育てられるならそうしてみたいと思ってたことを思い出した。

加齢に伴う心身の強みと弱みの変化を理解してうまく活用する。熱意、競争心、体力持久力、集中維持力、問題解決のための論理的思考の構築力は低下。加齢とともに向上ー専門分野の知見経験、人間や人間関係の理解力、エゴを抑えて他人を助ける力、複雑な問題解決のための学際的思考の組み合わせ力

この高齢者の章を読んでたのは東京都知事選挙の日で、加齢に伴う強みと弱みについて41歳のわたしだっていろんなことが減速してるって思うのにあの高齢立候補者たち(結局66歳の舛添さんが当選した)が今求められるスピードで意思決定して動いていくことができるのか疑問に思う。でも上のような強みを活かしてがんばっていただきたいです。

「銃・病原菌・鉄」読む前に新しいのと思ったけどamazonのレヴューでは評価低め、75歳とかになってれば新しいこと発見するより再構築ってなるのかもしれない。下巻の最後の音楽家のエピソードみたいにうまくいくとは限らないのか?

『昨日までの世界―文明の源流と人類の未来』

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2014年02月06日

『Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ 』

オライリーのMakeシリーズ、おもしろすぎる。図書館で借りた期間に読み切れなかったのでアマゾンで買った。また追記予定。

『Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ 』

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2013年12月25日

『ブエノスアイレス食堂』

最近はアマゾンで検索して図書館で予約してばかりだったけど、久々に書架をうろうろして見つけた本。ただし、陽気な南米のレストランの話かと思っていたらカニバリズムの暗黒小説だった。冒頭でクンデラが引用されてるところで気づけよという話だけど。でもレクター博士的なファンタジーで不思議とグロいことはない。同じような名前の先祖や親戚がたくさん出てくるところは百年の孤独みたい。それまでは魚のメニューも多く出て来るのに、最後は当然肉料理のオンパレードになるのだけどお客さんは不思議に思わないのかしら、って突っ込み入れたいところ。

『ブエノスアイレス食堂』

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2013年12月14日

『少し不思議。』

デイリーポータルZの書き出し小説大賞が好きで手に取ったけど、正直何も感じなかった。十代のころは間違いなくサブカル少女だったけど30年近くたってわたしはサブカルにはついていけてないことがよくわかった。
この曲とちょっと関係がある。『電気グルーヴ20周年のうた』

『少し不思議。』

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2013年12月10日

『Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す』

ニワトリの章と子供の教育の章がすごくよかった。失敗することにビビりすぎるな、ってメッセージが重要。わたしの父は庭に小屋たてたり、母はチラシ紙でさえ細く撚ってかご編んだりするmakersだった。
図工の時間で大きな木のスプーン作ったとき買ってもらった彫刻刀まだ持ってるし、去年見たカチーナ作ってみたくて木片買ってきた。小刀はあったかな、、

『Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す』

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2013年12月05日

『ひとりの体で』

このところLGBTのことやエイズのことをニュースで聞いたりする機会が多かったのでタイムリーだった。シェークスピアとかよくわからないし上巻は退屈だったけど下巻の「エピローグの世界」からはすごい勢いで展開して、最後の10ページくらいでハッピーエンディングになっていくのが分かって胸が苦しかった。でもキトリッジとその息子の描きかたはちょっと雑な気もしなくもない。お祖父ちゃんのくだりはアイオワボブを思い出す。実の父フラニーとそのパートナーのボヴァリーに会うところは映画みたいに想像できてすてきだった。
アーヴィング自体は怒りに突き動かされてる印象は全くないけど、アーヴィングの作品に出てくる小説家たちはなぜか怒ってることになってる。「不寛容に対して不寛容すぎる」。強いメッセージという点で似てる『ガープの世界』は読み直しが必要だな。

『ひとりの体で 上』

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2013年11月15日

『短くて恐ろしいフィルの時代』

絵はないけど絵本みたいな、最初はエドワード・ゴーリーみたいな感じかと思って読んでいたけど、途中からは、小説を書く学校とかワークショップとかで取り上げられそうなテーマ、構成なのかしら、と思いながら読んだ。こっちはソーンダーズ、もうひとつ翻訳されてるほうはソウンダースと名前が訳されてるので注意。もういっこのほうも読んでみたい。

『短くて恐ろしいフィルの時代』

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2013年10月19日

『ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方 』

著者の伊藤さんが津田さんのラジオにゲストで出たのを聞いてひきこまれて読んでみた。
以前にwordpressのカスタマイズやるweb制作を会社の仕事とは別でやったことあるけど、あれはキツかった。PG自体は全然問題ないんだけど、お客さんと話するのが苦痛で仕方なかった。振り返ればもっといろいろやり方はあったはずだし、ナリワイのひとつにもできたかもしれないなと思う。
床張りとかシェアハウス運営とかモンゴルツアー旅行企画とか、いくつかの例が提示されている。3万円稼げるナリワイ、なんか考えてみよう。今の仕事しながら何かやるなら土日に詰め込むんじゃなくて、平日のなかに組み込みたいなと思う。そこで勤め先で弁当売ったら買ってくれるひといるだろうな、と思いついた。会社にヤクルト売りにくるひとがいるんだから、ダメということもないだろうし。

『ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方』

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2013年09月29日

『不格好経営―チームDeNAの挑戦』

同じ時代にITやらwebサービスやらに関わっていたのに、ほんとうに最近までこの会社のことなんて知らなかったのが不思議ではある。35歳過ぎてからでも情熱をもって仕事に取り組めば、こんなうらやましい青春の二頁目を過ごせたのかもしれない、と自分を振り返ってしまった。
自分のことを論理的で左脳で考えてますって主張する女性が、てんやわんやしてる姿というのは直接関わりのない他人から見ると微笑ましいことに映るみたいですね(棒読み)。

『不格好経営―チームDeNAの挑戦』

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2013年08月31日

『想像力なき日本ーアートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」』

村上隆は1000年残る作品を作りたくて、そういう作品を作るためにひとりではできないので若い人たちを組織化してカイカイキキをやってて、結果ひとを育てることになってて、そこに業界を背負ってたつようなひとだから使命みたいなものも感じている、ということがわかった。
最近年をとったからか、何度も聞く言葉だけど、ほんとうに才能よりも継続することが大事なんだ。なにか覚悟を決めてやりはじめるには、まだ遅すぎるってことはないんだろうと思う。

『想像力なき日本ーアートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」』

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2013年07月06日

『知の逆転』

ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』をずっと読みたいと思ってるのだけどハードル高かったのでこちらを手に取った。すごいひとばっかりなんだろうけど、一番しっくりきたのはakamaiのトム・レイトンの話だった。それぞれのひとに宗教観と推薦図書を聞いたのはよかった。ウォールデンは、ずっと読みたかったんだ。


『知の逆転』

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『フリーズする脳』

ストレスにさらされると、頭は逃げろと指示を出すことになれすぎてる気がしなくもない。うちはテレビないけど結果インターネット見て思考停止してるのは同じことなんだとはうすうす気づいていた。短期記憶を使う、緊張するひとと話す、長い文章を意識しながら読む、これ気をつけていこう。

『フリーズする脳』

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2013年06月16日

『小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則』

わたしはこういう翻訳っぽい文章がわりと好きなのでまったく気にならないけど、最初読みづいらいと思うひとはいるかもしれない。目次からして素敵である。とくに「生産性」「競争相手」「ダメージコントロール」「文化」、よく言われてることではあるけれど改めてメモしたい。

今の会社も外部へのメールの最後にこの文章は機密情報を含み得るみたいな文言がつくようになった。これは会社からの「あなたを信用していません、文句があるなら裁判所で会いましょう」というメッセージなんだな。

『小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 』

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2013年06月02日

『モノを捨てよ世界へ出よう』

パラパラと20分程度で読めてしまう本。江戸末期の志士の言葉の引用してみたり、各都市の簡単な情報とか、最後の留学先一覧とか、誰に向けて書いてるのかイマイチよくわからない本だった。ポルシェやレアなスニーカーやレコード処分するのに半年かけてたひとが、今ではトランク2つでどこへでもいける、ってことに意味があるんだろうな。そもそも処分するものがなにもないひとが、いまから寿司職人とかアーティスト目指してビザとって外国行けって言われてもね。高城氏も最初は大学生でニューヨークに乗り込んだんだけど時はバブル真っ最中だし。
と、ネガティブな感想ばかりだけれど、とりあえずちょっとお金貯めて就学ビザで外国で生活するのは、わたしもおすすめします。そりゃ若いときのほうがいいけど、いまからだってまた行きたいくらい。
バイロンベイっていうオーストラリアの町の名前は初めて聞いたのでメモ。

『モノを捨てよ世界へ出よう』

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『フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?』

わたしはフォントにある程度こだわるタイプで、今使ってるPCもほんとは見た目がきれいだからmac使いたいけど値段が高いからubuntu使ってる。windowsもmeiryo出てから全部それにしてるけど、デスクトップとかOSレベル?ではmeiryoにならないからやっぱり嫌いだ。
著者の小林章さんというひとは、日本にいながら欧文フォントの世界コンテストで1位を2回も受賞して、ドイツのフォント会社のデザイン監督になってドイツに移住したというひとだ。欧文フォントの世界チャンピオンが日本人ってすごい、でも全く知らなかった。
合字について初めて知った。英語圏、フランス語圏ではfが最初にくる合字のパターンは決まっているのに、ドイツ語圏ではAuflagenみたいなaufとlagenという別の単語が合成された単語の場合、flは合字にしないんだって。「いろはにほへと」みたいなすべての文字を使った短い文章をパングラムっていうらしい。The quick brown fox jumps over the lazy dog
macが高い理由のなかには、小林さんのきれいなフォントが入っててそれに対してもお金払ってる、って思うなら仕方ないか。日本語フォントの説明もぜひ読んでみたい。装訂はやっぱりフォント大好き祖父江慎さんであった。

『フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?』

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2013年05月19日

『エロティシズム』

検索するとバタイユのが先に出てくるみたいですが、これは1991年にイタリアの社会学者が書いた本のようです。でも学術的というわけでもなくたいへん読みやすい本でした。
一貫した主旨としては、女のエロティシズムは継続性、一緒にいたいという願望。一方男は断続的、変化を欲望する、とのこと。女が愛と性が同じであるのに対して男は別である、というもの。もちろん男性も家族を愛しているんだけど、そこにはエロティックな要素はなくて、だから別の女に惹かれると(たった一回やったくらいで)罪の意識を持つ。女は、たった一回やったくらいじゃ、それはまだ時間をかけて育てた愛じゃないから罪の意識は持たない。男は身体の美しさ、性的魅力、誘惑力、女は地位,知名度、世間的評価,役割にエロティシズムが影響される、などなど、なるほどなーと思った。

ちょっと面白かったのは、
*ゲイの世界では、相手を選ぶところからじゃなく、その世界にまず入ってそこで誰かれ区別なくやっとくところから始まる。
*アメリカでは、経済界でない分野、とくにエロティシズムにかかわる分野で「すべて真実」の法則が導入されている
ってところ。

エロティシズム (中公文庫)

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2013年01月27日

『移住・移民の世界地図』

小学校のときの社会科の副教材みたいに写真やグラフがいっぱいで楽しい本だった。
いわゆる民族大移動みたいなのだけじゃなく、高額所得者や定年退職者の移住についての資料もあってわかりやすい。
移住・移民の世界地図

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2013年01月05日

『奪い尽くされ、焼き尽くされ』

12月からひとつひとつわりと丁寧に読んでお正月に読み終えた本。
カーヴァーより冷酷ででもほんと切り取り方が鮮やかで驚く。日本人でこういう短編作家っているだろうか?長編書いてるというのも楽しみ。

奪い尽くされ、焼き尽くされ

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2012年11月19日

『なぜ、あの会社は儲かるのか? ビジネスモデル編』

事例が多くて読みやすい。パラパラと雑誌みたいに読んだけど、所属している会社に当てはめればいろんな考え方ができると思う。

なぜ、あの会社は儲かるのか? ビジネスモデル編

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『加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか』

アメリカ本社のチームです、といって山岳地方から送られてきた写真に写る白人男女全員が肥満で驚く。本書によると、ニューヨークの白人は全米でも相対的にスリムなひとが多いらしい。これはやはり郊外になると「危険だから」といって車に乗る社会と関連してるらしい。白人以外の人種では、経済的な問題からジャンクフードに偏りがちで肥満が多いというのは、長寿が多い沖縄が経済的に貧しくなっていまや肥満率トップというのと同じ現象なのかもしれない。
私の場合、長生きしたいから健康でいたい、というより痛いのとか病院とか嫌いだから健康でいたいのだけど、国中が肥満のひとでいっぱいだったら医療保険費がかさんで国も亡びるわな。とりあえず糖分と脂肪分の過剰摂取による麻薬中毒状態からぬけるべく、禁チョコレート、禁おせんべい、しばらくがんばります。

加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか

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2012年10月30日

『あの川のほとりで』

ケッチャムは間違いなくヒーローで、レディスカイも主人公を救ってくれる。世界は暴力だらけで熊は繰り返し現れてガープの世界に戻るのかと思ったら、最高にディケンズ的な第一節がリフレインする。わたしが一番感情移入するのは間違いなくシックスパックなんだ。

あの川のほとりで〈上〉

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『自己啓発の時代』

もっといくらでも面白く書けそうなものをなぜこんな論文みたいな書き方してんだろ、と思ってあとがきを読むと、筆者があえてそうしたことを「楽屋落ち」と書いている。
わたしも七つの習慣読んだりはしたけど、勝間さんはとうとう一冊も手に取らなかった。もちろん江原さんも。「自己と自己の関係」調整というゲームは面倒くさいんだけど今のままを誰かに認めてほしいと思うほど甘ったれてもいなくて、ぼんやりした不安を抱えてるよくあるタイプなんだと思う。

自己啓発の時代: 「自己」の文化社会学的探究

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2012年10月21日

『歴史を考えるヒント』

中沢新一のおじさんで、左翼で、網野史観とか呼ばれてるマイナー歴史家、っていう程度しか認識してなかったけど、この本はとても読みやすくて、とくにケガレに対する考え方の部分がとても興味深かった。
「日本」っていつからできたか、みたいな話をネトウヨの彼氏としたことがあった。わたしは鎌倉の覚園寺の天井に足利尊氏のサインがあってそこに日本国太政大臣ってかいてあったような気がしたので(不確かだけど)、そのくらいじゃない?でもそれってこの本でいうところの平民が自分たちを日本人って自覚してたわけじゃなくて、それはペリーが来たころからじゃないの?みたいに答えた記憶がある。で、そのとき彼に全然違う、って反論された気がするけど、ネトウヨの彼はサヨの網野さんのいうとおり689年の浄御原令だって言ってたかどうかは忘れた。藤原道長さえも日本国左大臣ってお経に書いて土に埋めて、閻魔様の前では「日本から来ました」って言ってたと思うとなんだかおかしい。

西国人と東夷(あずまえびす)のハーフのわたしは、縄文土器と弥生土器、どっちが好き?って聞かれたら、どっちも土器って答えるしかないよなー。

歴史を考えるヒント

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『美味しさの常識を疑え! 強火をやめると、誰でも料理がうまくなる! 』

理屈っぽい料理好きな男性にはうってつけの本だと思う。火加減については、魚焼きグリルにいれて使うダッチオーブン使ってるとなんでもうまいのでこの理屈は正しいに違いない。プロのキッチンとは五徳の高さが違うってのもなるほど。できあがり重量をいちいち量るのは面倒だけど80%の重さになってれば火が通ってるっていうのはなるほど、と思う。塩加減は0.8%っていうのは知らなかったわけじゃないけどやっぱ面倒なんだよなー量るのが。切り方が大事ってのはわかるから今日カボチャ切るから実践してみよう。理屈っぽくない女性も読んだらいいと思うよ。

美味しさの常識を疑え! 強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!

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2012年10月14日

『空間の経験』

面倒くさいから閉所恐怖症と言ってしまうけど、広場恐怖症とかパニック障害を患っている。10年くらい前から窓のない狭い空間や満員電車にいられない。地下やトンネルも苦手だ。原因は満員電車で酸欠みたいになったことがあってからだ。
帰る場所というのも、わたしのテーマのひとつだ。そんな場所がもうないのにやっぱり長く暮らした場所に戻りたいと思うのはなんでだろうと。
そんなことからタイトル借りしたのだけど、とくに答えがあるわけではない。空間=自由、場所=愛着というような分け方で、場所についての考察が多かったように思う。熱帯雨林に住むある種族には時間の奥行きみたいな言葉がなく現在だけに生きているというのが興味深かった。ジャングルには変化がないと言い切っていたけど本当なんだろうか。難しいことは書いてないけど、集中して読むことができなくて著者がほんとうに言いたかったことがなんなのかは、よくわからないままだった。


空間の経験―身体から都市へ (ちくま学芸文庫)

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『人生の「お荷物」を捨てる方法』

断捨離ライフハック系の本かと思って手に取ったら全く違うものでした。
ほんとうに弱ってるときは、がんばらなくていいんだよ、というこのメッセージに救われるかもしれないけど、国が施す教育が悪いとか、年金問題や少子化については政治家が考えればいい問題だって思考停止して、自分の都合いいように生きたいように生きなさい、っていわれても悩みは軽くならない。わたしが健康で人生にお荷物を背負っているという証拠なんだろうか。

人生の「お荷物」を捨てる方法

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2012年10月08日

『限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? 』


田舎があるひとがうらやましいとずっと思っていて、去年訪れた義弟の実家のむつ市あたりがフィールドワークの対象になっていたので興味深く読んだ。
地震前に縁あって訪れた福島の戸渡のことを思い出す。あそこは比較的若い世代もたくさんいたみたいだけど原発の半径30キロ圏内になってるんじゃないかな、、お世話になった方々がみんな以前の生活を取り戻せることを祈ることしかできない。

限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? (ちくま新書)

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『SURF』

元パタゴニア社員でジェリーとサーフィンしたことある同僚から借りた本。
ハワイから帰ってきて丸4年たった今年、本気でサーフィン楽しくてしょうがなかった。でも寒いの嫌だから早く暖かくならないかなーと思ってる。6日は暖かくて台風のなごりですこし波もあったので鵠沼でボードレンタルしてサーフィンした。調子乗ってたら左膝靭帯痛めた...
SURF IS WHERE YOU FIND IT サーフィンの神様、ジェリー・ロペスが綴るライフスタイルストーリー

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2010年09月18日

『仕事に使えるゲーム理論』

前に読んだ「ゲーム理論の思考法」より突っ込んだ感じだけど、算数ぽくなくて読み物系だと思います。わたしが合理的なプレイヤーじゃないのか時々、いやかなり、なぜ?と思ってページを戻ってばかりいる。
『仕事に使えるゲーム理論』

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2010年09月17日

『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』

加賀藩の経理帳簿37年分と、四代にわたる世襲経理担当者の手紙から幕末の武士の暮らしぶりや、維新前後の世相がわかるものすごい興味深い本でした。武家社会では武士が小銭数えるのがみみっちくてよろしくない!ということであまり給料のいい仕事ではなかったらしいけど、版籍奉還で武士が仕事にあぶれていくなか、で三代が海軍の財務担当になると、いまでいう年収3000万円超の勝ち組になってしまう。二代目はそれでもやっぱり天皇陛下より藩主に忠誠心を感じていたり、もうオレは時代についていけん、といじけてながらも孫をそろばんでひっぱたきながらやっぱり算数教えてたり、というエピソードもほのぼの楽しい。日本史勉強してる高校生は読んだらいいのにと思いました。
『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』

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2010年09月01日

『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』

いろいろと全くやる気が起こらないので読んでみた。けどあまりアタマに入ってこないと思ってたら最後にtwitter用まとめ、カクテルパーティ用まとめ、があってよかった。
大事なのはautonomy, mastery, 目的。ルーチン大嫌いなわたしは自律性はあるほうだと思うけどなにひとつ熟練した感じがしない。

マスタリーに近づく5つのステップ 
1) 意図的な訓練には、実力をあげるというひとつの目的しかない。
2) とにかく反復する
3) 批判的なフィードバックを絶えず求める
4) 改善すべき点に厳しく焦点を合わせる
5) 訓練の過程の精神的、肉体的疲労を覚悟する

うーん、しんどそう。そしてもっとまずいことに、なんというか大きな目的を見失っているぽい。

『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』

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2010年07月26日

『アメリカとアメリカ人』

『チャーリーとの旅』のあとに書かれた本でたぶん60年代後半のアメリカとアメリカ人についての文明論。戦前のカリフォルニアの日系人の話や、ネイティブアメリカンのエピソードなど興味深い。
アメリカ人が世界のほとんどの人びとより早く発見したことは、才能は生まれと関係がないということだった。
フィクションについて、歴史を理解するために必要というのはわたしにとって都合がいい。歴史を勉強しただけでは想像できないことを、スカーレット・オハラを通じて、南北戦争時の人々の暮らしや社会を知ることができる、とジョン・スタインベックは言う。わたしは見てないけど、いま日本人が坂本龍馬ブームに踊っているのも悪いことじゃないのかな。
:『アメリカとアメリカ人』

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『ゲーム理論の思考法』

文系向け入門としてはけっこういいと思います。
Amazon:『ゲーム理論の思考法』

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2010年06月26日

『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』

アラフォーでも手遅れってことはないけどこれから社会に出る若いひとが読んだらいいと思います。アラフォーにはときどき青臭くてつらいけど、ここに書かれているようなことを体験したひとがふえて、特に日本で、starting overがあたりまえのようにできるヨノナカになってほしいと思います。
Amazon:『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』

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2010年05月30日

『チャーリーとの旅』

スタインベックは古典だと思って読んだことなかったのだけど、1902-1968とわりと最近のひとでした。50代後半でプードル(でかいほう)と一緒にトレーラーで3ヶ月かけてアメリカを横断した紀行文。年代でいうと60年代初頭くらいなのだろうか、その頃のアメリカのひとたちの暮らしがかいま見られる。トレーラーハウスで暮らすひとたちの描写では、前にピンチョンの「ヴァインランド」を読んだときその住居形態はどんな職業のひとたちのものなんだろう?と不思議に思っていたけれど、当時はそれほど変わった形態ではなかったのかもしれない(今はどうなんだろう?)仕事が変われば住む場所も変わるし、その度に土地にしばられることなく移動できるという終身雇用制が当然(だった)戦後日本では考えにくいライフスタイルだけど、これから流行って都心のコインパークはトレーラーパークに変わったら面白いなと思いながら読んだ。南部について、やはり差別の問題が大きくスタインベックをつかんでいる。50年前に黒人大統領が生まれるなんて想像できなかっただろう。
これは最晩年に近い作品で、そのあとに書かれた「アメリカとアメリカ人」も読んでみようと思う。
「木こりは売春宿で木を切り、森で女を抱く」ってどういう意味?
Amazon:『チャーリーとの旅』

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2010年05月03日

『死ぬまでに一度は行きたい世界の1000ヵ所 アジア・アフリカ編』

アジアって暑いし湿気が多いから全く興味がなかったしいままでもシンガポールしか行ったことない(それも仕事だったし)。でもなんか、いまアジアと北アフリカ行きたい。マレーシアのボルネオ島と、ベトナム、トルコ、モロッコ、チュニジア。ベトナムとモロッコ、チュニジアはフランス語という共通点もあるな。今日見つけたたいへんためになるサイト「たびの空」。死ぬまでに、この5カ国はいくとして、まずとりあえずモロッコ2週間くらい行っときたいなー。ボルネオは5日で大丈夫そう。
この本はわりとブルジョワな人向けかも。写真が少ないので想像力がたりないひとはネット片手に。
Amazon:『死ぬまでに一度は行きたい世界の1000ヵ所 アジア・アフリカ編』

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2010年04月29日

『奇想遺産―世界のふしぎ建築物語 』

トマソン系のへんてこ建築がたくさん載ってるのかと思ったらわりと真面目な建築の本だった。現代建築もたくさんあって、パリで紹介されていたものはわたしが訪れた1993年にはないものばかりだった。フランスは田舎がおもしろそう。フェルディナン・シュベルというふつうの郵便配達のおじさんがひとりで石を積み上げてつくったミニ・アンコールワットとか、コルビジェのロンシャン礼拝堂、ケルトの聖地の岩の上にたったキリスト教会のル・ピュイ=アン=ブレ。モスクワのワシリー聖堂とキージ島の教会(これは木造らしい)みたいなタマネギ系建築もまとめて見てみたいな。一番見てみたいのはマリ共和国のジェンネの泥の大モスク。角がなくてまるっこくて継ぎ目がない。どうやってあれを維持してるのかすごく不思議。
こうしてみると宗教の施設ってやっぱりなにか奇をてらっている。ミニマムさでもゴージャスさでもextreamなものにみんなありがたみを感じるのだろうか。
Amazon: 『奇想遺産―世界のふしぎ建築物語 』

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2010年04月25日

『未来のモノのデザイン』

今日ヨドバシで羽根のないダイソンの扇風機とロボット掃除機ルンバを見てきた。ダイソンは説明を読んでもどうやって風がおこってるのかよくわからなかったし、ルンバが台の淵からおちないで掃除し続けるのが不思議だった。
映画のマイノリティレポートみたいなデジタルサイネージはどうやらもうすぐ実現しそうだけど、この本で何度もかかれているように冷蔵庫が『肉たべすぎです。野菜を摂取すべきです』って言えたとしても、その肉食べてるのはわたしじゃなくて、飼ってる亀かもしれないってことを冷蔵庫が理解できるとは思えない。インタラクティブ、という意味では、わたしたちが渋谷の交差点でひとを避けて歩けるように、ロボットがあるけるようになるにはまだまだ先なんだろうね。
最後まで読んでないからどう落ちる話なのかわからないけど、C3POくらい空気読むロボットと暮らせるならおひとり様も悪くないかもなーと思ったりした。
Amazon: 『未来のモノのデザイン』

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2010年04月24日

『定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法 』

これ、大学で勉強したかった。MBAホルダーたちはこんなことをたくさんのケースを使って身につけているんだろうか?そして企業でマネジメントにおいてほんとにこんな手順で意思決定してるんだろうか?やってないとしたらなぜ?
不確実性のもとでの意思決定っていう章が興味深い。ゲーム理論の入門書を読んでみようと思う。
Amazon: 『定量分析実践講座―ケースで学ぶ意思決定の手法 』

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『良心の領界』

2002年の来日時のシンポジウム(スーザン・ソンタグ、木幡和枝、浅田彰、磯崎新、姜尚中、田中康夫)の彼女の発言は、とてもクリアであいまいな点がなく、力強いものに聞こえる。戦争はそれが避けられない場合というのがある、戦争法を守らず兵士ではない一般市民を攻撃すべきではない(原爆投下は犯罪だったと考えている)、そして自爆テロのような手段は反対する(自爆攻撃のルーツはロッド空港の日本赤軍だとも言ってる)。
このシンポジウムでの田中康夫の発言はまったく何をいってるのかわたしには理解できなかったので、最後の締めにスーザンが田中氏のようなひとが政治家であるというのはすばらしい、とほめたたえたことに驚いた。
浅田彰ときいてなつかしかった。大学に入って一番最初に図書館で手に取ったのが『構造と力』だったけどまったく理解できなかった。おそらく今も理解できる自信はない。ただ15万部売れたといっても、いつでもこの手の本は持ってることが大事であって、買ったひとがみんな読んでたかというのは疑わしいっというのを最近どこかで読んだ。
Amazon: 『良心の領界 』

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2010年04月17日

『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』

Generation X形式で、下余白に脚注あり。後ろについてるのよりこっちのほうがわたしは好きだ。この本に関しては、海外のサイトくらいしか脚注読む必要もなかったし、それほど目新しいこともないけどWebメディアの歴史?とアメリカの動向がまとまってると思う。iPadについては一言もないから読むならいまのうちかも。
Amazon: 『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』

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『つぎはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか? 』

左脳の物語作成機能と、寝ているあいだもそれをオフにできない、ってところにすごくつかまれた。脳の性差といのもうなずける。最後にでてくる「インテリジェント・デザイン論」ってのは初めてきいたけど本気でそんなことを言ってるひとたちが科学者のなかにもいるってのが驚きだ。
感覚性ホムンクルスの画像がすごくいいんだけど、googleのイメージ検索で同じものはみつけられなかった。
Amazon: 『つぎはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか? 』

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2010年04月03日

『ミルクから逃げろ!』

チェルシーとか地名が出てこないとロンドンが舞台だと気付かないまま読んでしまいそうだ。舞台がどこか想像しながら読むのが楽しいんだけど。アパートやドラッグストア、ライブハウス、なんかのもっと細かい場所は想像できた(Bootsはほんとうにたくさんあった。といっても15年前の記憶だけど)。女の殺し屋って1Q84もそうだけどいつでも足洗ってふつうに生活できるって思ってるものなのかしら。
Amazon: 『ミルクから逃げろ!』

イギリスに陶芸を見るために行ってみたいなあ。英語ですこしpotteryについて会話できるくらいだといいんだろうけど。

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2010年04月01日

『すごい会議』

イントロがキャッチーだし、3、40分で読めるので会社のひとに読んでほしい。会社の目標設定なんかもこのコミットメントリストなんだけど、進捗率で書かせるのではなく、何日の遅れ、ってところがいいと思う。

[すごい会議の手順]

  1. 自分自身のうまくいっていることを紙に3つ以上書く
  2. 会議の参加者に「うまくいっていること」を3つ以上書いてもらい、それを発表してから会議を始める
  3. 「X年Y月Z日までにー(測定可能なこと)を達成することによってー(精神的な意味合い)となる」という文章を5秒で書く
  4. この会議で得たい成果を紙に書いて発表してもらう
  5. 望む成果を得るために、マネージすべきことをリストアップし、誰を呼べば一番うまくいくのかのリストをつくり、参加者への期待を明確にして招待す
  6. 達成の障害となっている問題や懸念を書き出し、それらを「どのようにすればー」のかたちに書き換える
  7. 「言えない問題はなにか」を書いてから、「どのようにすればー」のかたちに書き換える
  8. 「あなた自身のひどい真実はなにか」の答えを書いて発表してもらう
  9. 「戦略的フォーカス」を参加メンバー全員で創り、合意し、約束する
  10. 戦略的フォーカスにニックネームをつける。それを達成するのに、必要不可欠な担当分野を6程度決める。グループで行う場合は、全員が別々にこれを書き込み、その後に、全員で、1つの図にまとめる。どんな担当分野が必要か全員が考えることで、単なる現行の担当分野以外で、どんなことが必要かがみえてくる。それができたら戦略的フォーカスを達成するのに、一番効果的な担当者を決める
  11. コミットメント・リストに各担当者のコミットメントを記入する。コミットメントの進捗を最低1週間に一度チェックするしくみを合意しておく(「毎週月曜日8AMー15分ミーティングを行う」等)
  12. 「いまから一ヶ月以内に、自分の起こす一番おおきなインパクトはなにか?」を各自か書いて発表する

問題解決へのアプローチ

  1. 問題を「どうすれば・・・できるか」というクイズ形式にする。会議の議題もこれが使える
  2. 現時点での状況を10分程度で15程度あげる。「わたしの主張では」と始めると自分と違うオピニオンでも反感が起こりにくい
  3. 提案。ここでも「わたしの提案は」で始めると背反する意見との不必要なディスカッションが起こりにくい
  4. アクションを起こすのが適当なひとに「XさんがYまでにZといったアクションを起こしてください」とリクエストする。あるいは自分で約束する。

コーチとしてすることというのはこの3つ。

  1. リクエスト
  2. それができる雰囲気づくり
  3. 確認の質問

Amazon: 『すごい会議』

使えると思ったのが辞表の書き方。
わたしchimayは一ヶ月後のX月Y日をもって退職させていただきます。
理由は
ーマネジメントの意思決定に十分参加できていないこと
ーわが社の資金がもう少しで底をつきそうなこと
ー資金を得たとしても自分の持っている株が0.5%しかないこと
もし1ヶ月以内に上記の内容が是正されるのでしたら、ぜひこの会社を辞めずに働き続けたいと考えております。

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『柳宗理 エッセイ』

やっぱりリーチ、濱田、河井の陶芸時代っていうのがあったんだ。そこに美学者の父宗悦がいて、またちょっとエキセントリックな感じの母親のエピソードなどとても興味深く読んだ(そしてご本人はとっても男前)。デザイン観については厳しく繰り返してたけど、そこは忘れちゃった。
横浜の地下鉄構内のインテリア、野毛山動物園の歩道橋など子供のころなじんでいたものが彼の作品であると知った。
高校のとき、工業デザインがやりたくて美術系の学校に行きたいって親に言ったことがある。なんやかんや言われて結局つぶしの効く経済学部に行くことに決めたんだけど、あのとき柳宗理というひとについて知っていればもうちょっとがんばったかもなあ、、なんて思い出した。
Amazon: 『柳宗理 エッセイ』

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2010年03月28日

『人でなしの経済理論-トレードオフの経済学』

大学のゼミの先生(当時は教授とかなじゃくて講師だった)のレギュラークラスが農業経済学で、ときどき日経新聞に記事を書いてたりしてた。1限だったしまったく人気のなさそうなクラスだったけど、ゼミでは文系学生相手に熱心に確率統計を教えてくれたいい先生だった。先生に農業経済が専門なんですか?とたずねたときに、そんなことはない、経済屋なんてなんでもいいんです、なんかネタがあればなんでもできるんです、と言ってたのを当時は不思議に思った。この著者のハロルド・ウィンター先生も同じようなことを言ってる。そして禁煙論者相手には反禁煙を、一般に嫌悪感をもたれる臓器売買市場を合理化することなどトレードオフを常に考えてる。
Amazon: 『人でなしの経済理論-トレードオフの経済学』

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『科学的な外国語学習法』

会社がIP phoneになってからシンガポールからの電話がかかってくる機会が増えた(メールは減った)のでこの機会にまたちゃんと勉強しなくちゃ、と思って借りた。たぶんすごいいいことが書いてある。けど全部読めなかった。また今度借りよう。
Amazon: 『科学的な外国語学習法』

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『投資信託選びでいちばん知りたいこと』

運用会社、純資産、リターン(3年、5年)、標準偏差(3年、5年)、シャープレシオ(3年、5年)、販売手数料、信託報酬等、組み入れ銘柄数*、売買回転率*、デュレーション**などをマトリクスにして検討するとよいらしい。
*は株式投資型、**は債券投資型。
しかし、投資信託系の本読めば読むほど、投信じゃなくて株のほうがいいような気がしてくるなあ。
Amazon: 『投資信託選びでいちばん知りたいこと』

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2010年02月05日

『黄金の扉を明ける賢者の海外投資術』

各章のはじまりは物語っぽいけどその後は少々難しいことが多かった。FXとかETFくらいはなんとなくわかったけど、オプションとかコルレスとかは理解できなかった。コタ・キナバルとかケイマンはこの前会社のファイナンスのひとが飲んで語ってたなー。ロンダリングのところはもう一度読んで彼と飲むときのネタにしよう。
毎日お風呂で読んでたらしわしわになった。古本屋で200円だったからいいけど。
Amazon: 『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』

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2010年01月30日

J.D. Salinger dies

NY Daily Newsによると
The famously reclusive author of "The Catcher in the Rye," who died Wednesday at 91, was said to stack unpublished manuscripts in the safe of his home in Cornish, N.H.
とあるのでこれから読めるようになるのが出てくる可能性もあるのかしら。
永遠の中二としてはライ麦を推したいところだけど、フラニーとゾーイーやナインストーリーズのほうが好きです。それにしても柴田先生ギリギリのGJだったんじゃないか?
Amazon: モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3 サリンジャー号
Amazon: ナイン・ストーリーズ

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2009年12月31日

『東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編 』

読む順番間違えた!最初と最後が難しかったけど、「ブルース」と「ダンス」は理解できたようになっちゃうところが怖い。これで東大生はどんなレポート書くんだろうか。
Amazon:『東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編 』

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2009年12月18日

『CDは株券ではない 』

市中で聞こえてくる音楽CDの売り上げ枚数を予測するならとりあえず3万枚と言おう。これおもしろいのにアマゾンでもう売ってないんだー。最後に対談してる細野なんとかという人の経済本は読んだことあるけどなんかうさんくさかったぞ。
Amazon:『CDは株券ではない 』

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2009年12月15日

『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール―世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間』

歌舞伎町って外国だ。
Amazon:『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール―世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間 』

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2009年12月10日

『ユリイカ』2006年4月号 特集=菊地成孔 正装の、あるいは裸の

山下洋輔親分との対談が最高。「全冷中」についてはここで知った。
2009年12月号ではタランティーノ 『イングロリアス・バスターズ』の衝撃というのでも文章書いてるんだ。立ち読みしよ。
Amazon:『ユリイカ2006年4月号 特集=菊地成孔 正装の、あるいは裸の 』

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2009年12月07日

『ささやかだけど、役にたつこと』

ずっと本棚にあったのに読んでなかったのか、どれも初めて読んだような気もするし、読んだことあるような気もする(というのは他の短編集とかぶってるから?)親とか離婚とかお金とか、老いとか悲しみとか、いつのまにかここに書かれてるような事柄がしっくりわかるようになってきたんだ。でもフラナリー・オコナーの短編と違ってちょっと救われる感じがする。
Amazon:『ささやかだけど、役にたつこと』

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『思考の整理学』

いいヒントはいっぱい書いてあるんだろうけど実践できないという点ではマインドマップと同じか。気心がしれてるけど、なるべく縁のうすいことをやってるひとが集まって現実離れした話をするとセレンディピティが起こるかも、ってのを期待して年末のいろんな集まりにでかけてみようか。
Amazon:『思考の整理学 』

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『スペインの宇宙食』

冒頭はピンチョンの「ヴァインランド」みたい!って思ったら、あれはボリス・ヴィアン風なの?後半の段組みのところはうまいものが食べたくなる。どんなも調理法なのかわからない名前のついた料理ばっかり。
Amazon:『スペインの宇宙食 』

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2009年10月21日

『1Q84』

サハリンと牛河がでてきてうれしかったし、アンダーワールド良かったと思ってるから、悪くないんだけど、失われてるって百回以上いわれてももうなにも感じなくなっちゃったのかもしれない。もうちょっと若いときは失われるってどんなことかわりたかったんだと思うけど、もうそんなのもどうでもよくなっちゃったのかも。

「1Q84を読んでない感想」ってのを読んだ。「もう少し落ち着いてから、文庫が出たあたりで」ってのは同意。だいぶ以前に図書館で予約してたのが忘れた頃にやってきた。いままでだとなんとなくブックカバーして、ペニスとか書いてあるのを見られないように読んでたような気がするけど、ここまで爆発的なベストセラーだからぜんぜん恥ずかしくなく電車で読めたのはよかった。あたしは村上春樹本人で妄想はしません。

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2009年10月18日

『ザ・マインドマップ 』

期待してよんだんだけどわかんないやー。やってみないとダメなんだろうけど、なにがダメでなにがヨイのかよくわからん。
Amazon:『ザ・マインドマップ 』

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2009年09月10日

『バフェットの財務諸表を読む力』

財務諸表の読み方本を何冊読んだろう。だいぶわかってきたような気がする。そろそろ財務諸表を読まないとな。
「絶対確実でないものに、バフェットは興味を示さない」っていったって、ブラックスワンはいるんでしょ?保有するバークシャー・ハサウェイ株は640億ドルの含み益があるけど税金は1セントも払われていないっていったって、80歳のバフェットさんがそれどうやって使うつもりなんだろか。
Amazon:『バフェットの財務諸表を読む力 』

9月19日土曜日sageなんでここに。
いえ、もう財務諸表なんてどうでもいいんですよ。
なんつーか、もう体がふたつにわかれちゃったみたいで、なんとか生きて行くために財務諸表読もうとしてる自分と、もう明日死んじゃっても仕方ないなと思う自分と。
昼まで寝てたのに眠たくってたまりません。起きたらまた考え事があると思うとこのまま目が覚めなくてもそれほど後悔はない気がします。
シルバーがなんていってたか思い出せれば起きてからご飯食べよう。

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2009年08月31日

『チェンジ・ザ・ルール』

図書館の前でもってけーってなってたのでもらって帰って読んだ。サプライチェーンのシステムを覗いてるいまのわたしには、インターネット以前の話だけどけっこうおもしろかった。『ザ・ゴール』を読んだずっと昔よりは製造のことも流通のこともわかってる自分に気づいた。ドラムバッファーロープとか言葉の意味を確認するために『エリヤフ・ゴールドラットの「制約理論」がわかる本 ポケット図解』を購入した。こちらはまだ未読。

Amazon:『チェンジ・ザ・ルール 』
Amazon:『エリヤフ・ゴールドラットの「制約理論」がわかる本 ポケット図解 』

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2009年08月21日

『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 』

物語を読んで感動したりしたいのに、結局こんな本を読んだ。50歳をすぎてマクドナルドを起業したひとの話だ。問題解決こそが仕事というのはよい気がする。そこにマネジメントが入らないんだったら一生やっていたいくらいだ。

自分の問題解決はなんにもできてないんだけどね。

読みたい物語が見当たらなかったんだったら、灯台守の話をもう一回読んだらよかったんだ。ただ同じ本を何度も読むほど、もう人生は長くないんじゃないかって気がするんだよね。

Amazon:『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 』

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2009年07月29日

『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』

ガウス分布のベル型カーブを疑え。確率は簡単に計算できない。おおざっぱに正しいことを目指す。
まるっと読み返すことはないと思うけど本棚に置いておきたい感じではある。エーコの本棚のことを考えながら。

Amazon:『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』

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2009年06月27日

お金のリテラシーを身につける その3『 臆病者のための株入門』

橘玲さん、ヒマだったからと自分でプログラムつくったり、実践してるところがおもしろかった。難しい言葉を簡単に言い換えてくれてたりしてるので理解もしやすかった。こうすればいい、って結論づけてるところもいいと思う。自分はそうしてないけど、って言いながら。
Amazon:『臆病者のための株入門』

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お金のリテラシーを身につける その2『株の原則』

読んだ直後はなるほどーと思ったけど、だいぶ前のことでもうなんだか忘れちゃった。
Amazon:『株の原則』

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お金のリテラシーを身につける その1『財務3表一体分析法 「経営」がわかる決算書の読み方』

『財務3表一体理解法』のほうは学校でビジネスプランのときにガッツリ読んで付箋だらけだ。でもこっちの分析編をいきなり読んでわかんなかったからまた読み直した。そのときはスルスルと読めた。理解法のほうもあの一体分析の図をかけば理解しやすくなるんだろうな、と思いつつ。
Amazon:『財務3表一体分析法 「経営」がわかる決算書の読み方』

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2009年06月17日

『アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝 』

第一の感想は、55歳のWozさん、やりたいことまだあるのかなあ、ということ。作りたいもの作って、フェスやって、文化事業にお金だして、教育やって、なんか終わっちゃってるんじゃないかってこと。
エンジニアじゃないとわかりづらい部分も多いけど、いまやってる仕事が一生の仕事かあ?って思ってるひとは読んだらいいと思う。みんながみんな、Wozさんみたいにはいかないだろうけど。
Amazon:『アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝 』

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2009年05月31日

『ザ・ロード』

最初に断っておくと虎舞竜じゃないよ。コーク・マッカーシーだよ。
まだ半分しか読んでないんだけど、状況描写が読みづらくて、内容も日曜の晴れた朝にベッドの中で読むにはしんどい。しばらく読み続けて『最後の物たちの国で』を思いだしたけどあれも最後まで読んでないことに気づいた。なんなんだろ、キリスト教とか善悪とか道徳とかが描かれているようにも見えるけど、いわゆるアメリカの父と息子の物語なんだと思う。父の不在から次の世界を見せたいのかもしれない。わたしがシンパシーを抱くのは、旦那と子供を残して(おそらく)自殺した奥さんだ。何にしても両親はそろわないみたいだ。
映画化されるらしいけど見ないと思う。本は最後まで読むとは思う。
Amazon:『ザ・ロード 』

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2009年05月26日

『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』

ワイキキで紹介されてるところ、4ヶ月いたのにいっこも行ったことなかったよ。多々戸へ行くたびに通る熱海のアカオリゾート、そとから見てびっくりしてたけど中もすごいんだな。熱海はこのときの取材ではゴーストタウンみたいに書かれてるけど、最近土曜日の夕方、車で通ったらけっこうにぎわってた。江ノ島は、関東近県にお住まいで来たことないひと、ぜひ一度どうぞ。この本のころとは変わっちゃってるけど悪くないっすよ。と身近な場所が紹介されてて、雨のすることない日曜日ソファでごろごろしながら読むのにちょうどよかった。サハリンの村上さんの文章は秀逸でした。
Amazon:『東京するめクラブ 地球のはぐれ方 』

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『柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方 』

高橋さんって大江健三郎信仰強すぎで苦手なんだよね。柴田さんが距離おいてる感じが伝わる対談だった。
Amazon:『柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方 』

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2009年05月06日

『ライフ・アフター・ゴッド』

ちょっと古い本だからかもしれないけど、ありふれた喪失感のそのあとの希望については描かれていないように思う。ダグラス・クープランドには失われてしまった僕らでも川は流れ続けるってだけじゃなくて、マイクロサーフスみたいなすこしばかりの明るい光を見せてほしい。宗教のいらない最初の世代とかなんとかって書いてあったような気がしたけど、日本人なんてジェネレーションXよりもっと前のベビーブーマーでさえそうだもんね。
最近Dougさんをtwitterでfollowしてます。へへへ。
Amazon:『ライフ・アフター・ゴッド』

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2009年04月28日

『さくらんぼの性は 』

ジャネット・ウィンターソン祭りです。このひとの書く女たちはどうしてこんなに美しいんだろうと考えて、また灯台守の話を思い出しました。他人の真実にはなれないから、自分と愛するひとにはほんとうのままでいろ、とかそんなピューの言葉。ジョーダンのイノセンスよりもやっぱりこの女主人公にひきつけられます。たぶんこの本はまたいつか読み直すだろうと思います。
Amazon:『さくらんぼの性は』

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2009年04月14日

『灯台守の話』

すげーよ、ジャネット・ウィンターソン。明日あたしが死んだら棺桶にはこの本をいれてください。
Amazon:『灯台守の話』

わたしはかつて救いようのないロマンチストだった。わたしは今も救いようのないロマンチストだ。わたしはかつて愛こそがもっとも価値あるものだと信じていた。わたしは今も愛こそがもっとも価値あるものだと信じている。わたしは幸せになることなど期待していない。どういう形であれ自分がいつか愛をみつけるなどとは思っていないし、たとえ見つけたとしてもそれで幸せになるとは思っていない。わたしは愛が解答だとも解決だとも思わない。愛は、たとえて言うなら自然の脅威だー太陽のように強烈で、不可欠で、非情で、巨大で、途方もなく、温暖でありながら灼熱であり、生命をはぐくむいっぽうで大地を干上がらせる。そしてそれが燃えつきるとき、この地球も死ぬ。
わたしの人生はちっぽけな軌道を描いて、愛のまわりをくるくる回る。けっしてそれ以上は近づかない。天への回帰を夢見るなんて、神秘主義者のやることだ。出かけるときは日焼け止めを欠かさない。わたしの守りは完璧だ。
それでも今日、いたるところに陽の光があふれ、形あるものがすべて自分の影でしかないようなこんな日に、わたしは気づいてしまうー人生でいちばん大切なこと、わたしが思い出すもの、手の中で何度も転がしてみるものは、家でも銀行の口座でも賞でも出世でもない。わたしが思い出すのは愛、すべてのものへの愛だーこの土埃の道、この日の出、川べりで過ごした一日、カフェで出会った見知らぬ人、そして自分自身ですら。自分ほど愛することの難しいものはない、なぜなら愛と自分本位はべつのものだから。自分本位になるのはたやすい。ありのままの自分を愛するのは難しい。誰かにそうされて、わたしが驚いたとしても無理もない。
だが結局勝つのは愛だ。この焼けつくような、ヤギが逃げ出さないように両側に鉄条網を張った道の真ん中で、わたしはふいに、自分が何を探してここまでやってきたのかに気づく。そしてきっとそれをすぐにまた失うだろうということにも。

半分こわれ、半分まっさらで、最初からまたやり直す。

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なんのために生きているのか。
世界を見にきただけだ、といったのは河井寛次郎だった。

自分が14歳のときとおんなじまんまにピュアーであると感じるのはきもちがいい。
わたしの人生はちっぽけな軌道を描いて、愛のまわりをくるくる回る。けっしてそれ以上は近づかない。
永遠なんてないのだ。そして同時に終わりもないのだ。
半分こわれ、半分まっさらで、最初からまたやり直す。
starting overなのだ。

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2009年03月12日

『予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』

はじめに、でけっこうつかまれます。もくじ紹介します。
1章 相対性の費用 なぜあらゆるものはーそうであってはならないものまでー相対的なのか
2章 需要と供給の誤謬 なぜ真珠の値段はーそしてあらゆるものの値段はー定まっていないのか
3章 ゼロコストのコスト なぜ何も払わないのに払いすぎになるのか
4章 社会規範のコスト なぜ楽しみでやっていたことが、報酬をもらったとたんに楽しくなくなるのか
5章 性的興奮の影響 なぜ情熱はわたしたちが思っている以上に熱いのか
6章 先延ばしの問題と自制心 なぜ自分のしたいことを自分にさせることができないのか
7章 高価な所有意識 なぜ自分のもっているものを過大評価するのか
8章 扉をあけておく なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか
9章 予測の効果 なぜ心は予測したとおりのものを手に入れるのか
10章 価格の力 なぜ1セントのアスピリンにできないことが50セントのアスピリンならできるのか
11章 わたしたちの品性について その1 なぜわたしたちは不正直なのか、そして、それについて何ができるか
12章 わたしたちの品性について その2 なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか
13章 ビールと無料のランチ 行動経済学とは何か、そして、無料のランチはどこにあるのか

どうすれば「学者っぽくない」文体で書けるのか、工夫するのは簡単ではなかったという著者のダン・エアリー教授(2008年のイグノーベル賞受賞者)。教授の「わたしたちを動かす力」の研究が、社会政策や、自制式クレジットカードのように企業と消費者がどっちも幸せになるような仕組みになるのを楽しみにしたい。
http://www.predictablyirrational.com/
Amazon:『予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 』

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2009年03月09日

『クロアチアの碧い海』

「クロアチアってどこ?」「イタリアの東」「イタリアでいいじゃん」
って会話2回くらいした。情報少なめで行ってこようと思いますが口コミのたれ込みはお待ちしております。
Amazon:『クロアチアの碧い海 』
Amazon:『クロアチア/スロヴェニア/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ―アドリア海の海洋都市と東西文化の十字路 』

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2009年03月07日

『文字の都市―世界の文学・文化の現在10講』

今日は二組のしあわせな家族と過ごした。
先週は家族との確執をうちあけた友人がいた。
現代アメリカの作家たちが執着しているテーマが家族で、わたしはそんなのを好んで読んでいるわけだけど、古いドラマに出てくるみたいな父親を中心とした家族なんてのはない、ってところから始まってるからなのかと思う。それでも子供は父親を探し続けてる。
この前まで大好きなはずのアーヴィングの『また会う日まで』を読んでたけど、上巻の途中でやめた。ぜんぜんおもしろいと感じないのだ。
わたしはもう父親を探してなくて、自分が家族をもつということをあきらめ<かけ>ている。
Amazon:『文字の都市―世界の文学・文化の現在10講 』

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2009年02月14日

『Lucie Rie ルーシー・リーの陶磁器たち』

Lucie Rie, London, 1987 by jimhairphotoいい顔のおばあちゃんでしょ。バーナード・リーチに認められた陶芸家。美しい色合い、溶岩みたいな肌、不安定そうなかたち、どれもすごく魅力的でぜひ実物を見てみたい。

Amazon:『Lucie Rie ルーシー・リーの陶磁器たち 』

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『数学ガール』

ミルカさんにはついていけるわけなく、テトラちゃんならいけてたのに、
任意の実数Mに対して、正の整数nが存在し、式 M < Σk=1 1/k が成り立つ
ってとこで挫折した。くやしいので高校のときの数学の問題集出してた会社の参考書買って因数分解から勉強中。

Amazon:『数学ガール 』
Amazon:『精説高校数学 第1巻 改訂版 (1) 』

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2009年02月08日

『サプライチェーン経営入門 』

お仕事のために。おもしろいっちゅう本じゃないけど一応ね。

全然別の本の話をしよう。『竜馬がゆく』って男子はたいてい読んでるよね。あたしも5年くらい前にSから借りて7巻まで読んで、テレ東かなんかが12時間ぶっとおしでやるドラマ見て、もう最後は中岡さんが死んじゃうのが悲しくて8巻は読んでない。竜馬はかっこよすぎるから中岡さんがあたしはだんぜん好みだった。
Amazon:『サプライチェーン経営入門 』

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2009年02月01日

『オレンジだけが果物じゃない』

女の子は14歳になったらライ麦じゃなくてこっちを読めばいいと思う。
わたしは男の人を敵と思ったことはなかった。思う必要もなかった。教会の女たちは、みな強くて有能だった。権力なら、わたしはムッソリーニを満足させてお釣りがくるぐらい持っていた。
説教壇でさんざん成功し、そのせいで今度は説教壇を追われ、わたしはまったくいい面の皮だった。なるほど悪魔はわたしのいちばん弱い部分を突いてきた。女であることの限界に、今の今まで気づかなかったという弱点を
わたしは海を渡ることも日に灼かれることも、持てるすべてを失うこともいとわない。ただし男のためにそれをやろうとは思わない、男たちは壊そうとするばかりで壊されることを嫌うから。
ああ、主人公はいわゆるレズビアンなんですよ。でもほんと、ユーモアと皮肉がいっぱいで、もちろんいい大人が読んでもおもしろい。カルトな母親とその周りのひとたち、いくつかの挿話、オレンジの悪魔と茶色の小石、きっと岸本訳はそうとういいんだと思う。時代がいつ、というのが最後までわからなかったけど、イギリスの田舎に行ってみたい。
Amazon:『オレンジだけが果物じゃない』

母と娘という関係の小説って今までそれほど読んだことがなかった気がする。ふと自分が14歳だったとき、母は今のあたしとそれほど歳が違わないわけで、たいへんだったろうなと想像する。

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2009年01月24日

『東京日記―リチャード・ブローティガン詩集』

はじめること
ひとつの世界をはじめること
start [start] vi. 1.行動などを
はじめる。着手する。出発する。
終わらせるために

詩集なのになんどもくすくすと鼻でわらってしまった。
はじめに、を読んで、戦中のアメリカ人の日本に対する感情のようなものはわかっていたような気もするけど、自分が好きだと思う作家がこんな風に書いてるのを読むと複雑な気持ちになる。
ワシントン州タコマで生まれてカリフォルニア州サンフランシスコの北、ボリナスで自殺した小説家。長良川で釣りして、東京で恋した。
Amazon:『東京日記―リチャード・ブローティガン詩集』

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『服従の心理』

なにかひっかかることを、やりたくないのに、やらなければいけないというとき、責任の所在が自分にないからといって服従しない。もし、なにも考えずにやってしまったとすると、正当化するためにそのことをし続けてしまう可能性がある。他人がそれをやっていたとしても、それはその人の道徳観からではなく、権威に対して服従しているエージェント状態になっているだけなのかもしれない。組織がそれを求めている場合、個人で抗うのが難しいと場合、組織でもってそれに対抗できないか考える。「それ」を押し付けてくるのは権威だけとは限らない。
本当にいやなものやことから、逃げられないことはない、っていつも思う。けど、言われたから考えずにやっちゃうことってたくさんある。逆の立場で、もし人を服従させたいと思ったら、なにをもって自分を権威づけるんだ?濃紺のスーツだけじゃ足りないだろう。
Amazon:『服従の心理』

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2009年01月17日

『人類は「宗教」に勝てるか―一神教文明の終焉』

いまもドンパチ、派手にやってるユダヤ教とイスラム教とか、その背景を知りたくて読み始めたんだけど、アメリカ教とか出て来たあたりからしらけて流し読みになっちゃった。宗教なくても生きて行けるもんねー、っていうのはお隣の大国も一緒なんだろうか。それとも禁止されてるのか。「ローマ人の物語」全巻もらったけど読んでないけど、弾さんとこみたら一神教が全世界に広まった理由は書いてないっていってて、残念。
Amazon:『人類は「宗教」に勝てるか―一神教文明の終焉 』

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2009年01月12日

『貧困のない世界を創る 』

ソーシャル・ビジネスとはなにかと、ノーベル平和賞受賞のムハマド・ユヌス総裁によるグラミン銀行の活動が書かれている。いくつか気に留めたフレーズを抜粋。
これはビジネスなので、ビジネスパーソンにとっては単にソーシャルビジネスという商売の機会であるだけでなく、社会問題を解決するために自身のビジネススキルと創造性を発揮する機会であることに気づくだろう。投資家は資金を取り戻すだけではなく、会社の所有者としてその後の行動について決めることができる。
新たに大学やビジネススクールを出たばかりの若い人々は、若者特有の理想主義と、世界を変える機会を持てる興奮に動機づけられて、伝統的なPMBよりもむしろソーシャル・ビジネスを起こすことを選ぶかもしれない。※PMB...利益の最大化を目指すビジネス
アルバート・アインシュタインの「すべてのことをできるだけ単純にすべきだが、必要以上に単純かすべきではない」という言葉を引用しよう。主流派の経済学ではあらゆることが「単純すぎる」ようになっており、そのため現実を逸してしまうのだ。
バングラディッシュに対する日本のODAの方法だ。日本の支援機関は、チッタゴン空港を建設するためにローンを提供した。その資金は、日本の設備を購入し、主に日本人のエンジニアと工事会社を雇うために使われた。つま、その資金の大部分を日本経済に還流させるのである。しばらくして、これまでどおりの成文化されていない手続きによって、日本は静かにそのローンを中止し、交付金扱いに変える。その結果、バングラディッシュは近代的な空港をただで手に入れられる。この場合、空港の所有権はバングラディッシュの政府に残されるだろう。
エマニュエルは(中略)友人たちと、社会的目標を持つ企業に融資するという難問について意見を交わしていた。これらのファンドマネジャーの多くが、エマニュエルが抱いている現代の資本主義に対する違和感を共有していた。世界の情勢からみて、彼らは新しい形のビジネスの必要が増加していることを感じていた。利益を最大化することだけに集中するよりもむしろ、社会的要求に応じてより良い仕事をするビジネスが必要なのだ、と。
私たちは達成したいと思うことを達成するのです。私たちが何かを達成していないのは、そこに心を置いていないからです。私たちは、自らが欲しいと願うものを想像するのです。
日本のODAのエピソードは、こんなふうにして提供されているのだと知らなかったのでちょっと驚いた。
会社員として働いていてときどき不思議に思うのが、会社は大きくなるのを止めることができないのか、ということ。このくらいの利益でいいや、これ以上はいらない、っていうふうにはならないんだろうか。以前読んだウィキノミクスには毎年、5%から7%というゆるやかな成長を続ける必要がありますって書いてあった。教えて、経営者の読者様。
Amazon:『貧困のない世界を創る 』

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2009年01月11日

『若者はみな悲しい 』

フィッツジェラルドの短編集。訳者あとがきにあるように、ギャツビーのデッサンみたいなものなのかも。『調停人』はデイジーのその後。『赦免』、久々に漢字読めない。昔のひとのほうがやっぱり大人になるのが早いんだろうと思う。それがなにかと引き換えだとしたら、今年はわたしは何を失うのだろう。
Amazon:『若者はみな悲しい 』

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2009年01月03日

『統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?』

『ヤバい経済学』のLevittさんみたいなのを日本でやってるのが門倉さんということで読んでみました。平均初婚年齢の算出方法は愕然(そんでもってちょっと安心)。そのうちこっち読んでみよっと...
Amazon:『統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか? 』

もう一冊、Steve Jobs本『スティーブ・ジョブズ神の交渉力』読んだけど、『スティーブ・ジョブズの流儀』のほう読めば十分でした。

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2008年12月17日

『第四の手 』

この本に書かれてたのはJohn Irvingは現代のディケンズになろうとしてるとかなんとか。たしかに少年の成長物語ではそんな雰囲気になってる気がするけど、ひさびさ大人の話でセックスばっかりで暴力はちょっとしかないけど、第四の手というのも、わたしが最初から想像してたとおりのものだったし、裏切りもてらいもなくてよかったと思う。小説の中にほんとうの物語、「イギリス人の患者」とたぶん「シャーロットの贈り物」、「スチュワートの冒険」が出てくる。ベットの中で本を朗読してくれるシーンはちょっとそそる。電話で語られるのはいや。
Amazon:『第四の手 』

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2008年12月08日

『西瓜糖の日々 』

西瓜糖の世界iDeathが現実にあったとしてもわたしは驚かない。5インチの川、板を渡しただけの橋、Everettの林の中に見たような気がする(ブローティガンだから北カリフォルニアだろうけど)。輪郭がぼやけたわたしの記憶はそれは夢でもおとぎ話でもない世界で、わたしは次々に忘れて、ときどき都合良く思い出してそこに戻る。両親を食べた虎に算数を習うような世界ではなかったけど、暴力や死もそこに含まれる。
柴田さんが原書を読む必要がないくらいの訳だと解説してる。30年前の訳とは思えな自然な言葉使い「いい感じ」って何回か出てくる。でもこの翻訳を読んだうえで、原書を眺めてみたいと思う。
Amazon:『西瓜糖の日々 』

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2008年12月04日

『スロー・バード』

日本で大学講師をしていたというイギリス人作家、イアン・ワトスンのSF短編集。「アイダホがダイブしたとき」と「大西洋横断大遠泳」がよかった。長編の「エンベディング」はやっぱりちょっと無理かも。
Amazon:『スロー・バード』

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2008年11月30日

『村上春樹と柴田元幸のもうひとつのアメリカ 』

もうAmazonのおすすめ商品とGrease Monkey Script Amazon - Fujisawa city Library Lookupと藤沢図書館浜見山分室だけあれば風邪ひいて家にこもりっきりでも最高。
初柴田体験で思い出したこと。93年になったばかりの寒い季節に初めて海外にいったとき、飛行機のなかで読んだEsquire日本版でスティーブン・ミルハウザーの短編を訳してたのが柴田さんだった。それまでは野崎孝か青山南あたりが訳してる本読んどけ、って思ってたけど、そのあたりから柴田訳読んでれば間違いないってなったんだ。
この本を読むと、わたしが今年の始めにアメリカ北西部に行ったのも、なにかブローディガン、カーヴァーあたりに導かれたような気がするのが不思議だ(オースターは好きだったけどNYには興味がもてない)。でもやっぱり同時代ということであればダグラス・クープランドなんだけど。冥界下降譚の世界をシニカルな視線でみつめるのはもうちょっと飽きて来た。生きていくことは難しいけど世界に向き合っていくぜ、オレは、というのがわたしは好きだ。しかしアメリカの父親探し、父親の発明というテーマは引き続き興味深い。
テーマはともかく、あんな乾いた空気が伝わる文章が書きたい。日本人でもそんなのが書けるんだろうか?ってずっと最近考えてる。村上春樹でさえ湿気てる。神戸っていったって日本だもんね。
Amazon:『村上春樹と柴田元幸のもうひとつのアメリカ 』

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2008年11月29日

『Monkey Business 2008 Fall vol.3.5 ナイン・ストーリーズ号』

柴田元幸氏によるナイン・ストーリズ全訳のvol.3と間違えて買っちゃった。村上訳でライ麦を読み返すことはなくても、ナイン・ストーリズは読みたいかも。デニス・ジョンソンをもっと読んでみたいけど訳されてる本はないみたい。風邪がひどくて動けないけど本が読めるって幸せだ。
Amazon:『Monkey Business 2008 Fall vol.3.5 ナイン・ストーリーズ号』

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2008年11月24日

『小説作法』

スティーヴン・キングの小説作法。キングは子供の頃、『スタンドバイミー』『IT』しか読んだことないけれど、これほど売れてる作家だから、この本に書かれてることはまねてみる価値はありそうだけど、全てを読み込むことはできなかった。今も生きててそこそこ売れた作家や作品のこともメタメタに批評してるのでおもしろい部分もあったけど。わたしも小説を書いてみたいのだけど、思ってるだけじゃだめで、やっぱり書かなきゃダメというのはあらゆる作家が言ってることで。
私の場合、短編であれ、長編であれ、小説の要素は三つである。話をA地点からB地点、そして大団円のZ地点へ運ぶ叙述。読者に実感を与える描写。登場人物を血の通った存在にする会話。この三つで小説は成り立っている。
Amazon:『小説作法』

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『PLAYBOY日本版』廃刊

いつも立ち読みしかしないので知らなかったよー。あわててバックナンバー11月号のピカソ特集を注文。インドのレポートが凄まじかった。

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2008年11月17日

『ヤバい経済学 Freakonomics』

文句無くおもしろかったです。インセンティブで人がどう動くかということについてのLevitt教授の研究を、読み物としてライターのDubnerさんが書いています。特に興味深かったのが、子育てについてのデータが示す、「親が子育ての本を手にするころにはもうぜんぜん手遅れになっている。大事なことはずっと前に決まっているーあなたがどんな人で、どんな人と結婚して、どんな人生を歩んできたか、そういうことだ。(中略)あなたが親として何をするかはあんまり大事じゃないー大事なのは、あなたがどんな人なのかだ。」わたしは計量経済学と統計学に入門し挫折したけど、今から大学で学ぶひとたちにぜひ読んでほしい。
Amazon:『ヤバい経済学』

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2008年11月15日

『スティーブ・ジョブズの流儀』

ハワイの学校にいたとき、great leaderだかentrepreneurを紹介するプレゼンをする、という授業があってわたしはSteve Jobsを選んだ。そのときいろいろ調べたから本書の内容はほとんど既知だけど、やっぱりいくつかのジョブズ語録は、やる気や目標を失いかけたとき役に立つ。
Amazon:『スティーブ・ジョブズの流儀』

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2008年11月03日

『容疑者ケインズ』

バブルとかサブプライムとか理解したほうがいいかなーと思いつつわかったような気がしたけど、他人に説明するには至らず。大学で習ったのは新古典派ってやつだったのだろうか。もう一回読んできちんと理解したいけど、ほかにもたくさん本があるからたぶん読まないと思う。
Amazon:『容疑者ケインズ』

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2008年11月01日

『シャンプープラネット』

ちょっと古い本だけど、アメリカ西海岸の雰囲気それだけで読める。
たったひとりの他人に対する性的興味さえ持続できないせいで他人と親密な関係をもつ可能性を最初から失っている
自分の悪行を正当化しつづけたせいでこの宇宙に住む全員が自分と同じように道徳規準を持たないのだと思いこんでいる。
うわ、ダグラス・クープランド、JAIMSの先輩だ!ちっとうれしい。でも翻訳してあるの、全部読んじゃったかも。JPOP翻訳されないかなあ...
Amazon:『シャンプープラネット』

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2008年10月27日

『その数学が戦略を決める Super Crunchers』

結論からいうと期待はずれ。わたしが期待してたのは最終章だけだったかも。
さて、ハイキング中に私は、彼女がこれまでにこのスリーピングジャイアント登山路を何回登ったか、と尋ねた。アンナは「六回」と答えた。私は次に、その推計の標準偏差はいくつかと尋ねた。アンナは「二回」と答えた。それから考え込んでこういった。「パパ、さっきの平均値を八回に訂正したいんだけど」(中略)その数秒の間で、彼女はだまって2SDルールを考えていたのだった。ルールによれば、彼女はスリーピングジャイアントのてっぺんにのぼった回数は平均値を六回とすると九十五パーセントの確率で二回から十回の間となる。そしてここが重要なところだ。何も言われなくても娘は、この範囲が正しいかを経験と記憶だけに基づいて考えてみた。そして明らかに二回以上は登っていることに気づいたのだった。すると数字が直感にあわなくなる。アンナはこの矛盾を、標準偏差の推計値を下げて解決することもできた。だがむしろ、平均値のほうを増やす方が正確だと判断した。平均を八回にあげることで、アンナは自分がこの道を四回から一二回の間だけあるいた確率が九十五パーセントある、と言っているわけだ。
ニューラルネットワークの本も持ってたはずだけど、途中で挫折したような気がする...探そう。
Amazon:『その数学が戦略を決める Super Crunchers』

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2008年10月20日

『母なる夜』

人から愛されることがあまりにも少ないという嘆きのせいで動けなくなったのではない。わたしは昔から「愛なしですませ」と自分に言い聞かせていたのだから。
神は冷酷だという考えのせいで動けなくなったのではない。わたしは昔から「神にはいっさい依り頼むな」と自分にいいきかせていたのだから。
わたしを身動きのとれぬ状態に追い込んだものは、どちらの方向へ進む理由も全くないという事実であった。それまで、生命も意味もない長年月にわたってわたしを動かしてきたもの、それはもっぱら好奇心であった。

最後のフレーズ、寛次郎さんも言ってたような。このヨノナカを見るために生まれてきたってだけで十分だよな。
って言いながら、序文でこの物語のもうひとつの教訓として「愛するひととできるだけ一緒に寝てあげなさい、それはみなさんにとってほんとうに好ましいことですから」とか書いてあるし。アイオアで書かれたこの序文と、なんどか出てくる「アウフ・ヴィーダーゼーエン」のせいで、『ホテル・ニューハンプシャー』を思い出した。
Amazon:『母なる夜』

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2008年10月18日

『クルーグマン教授の経済入門』

以前、山形さんの翻訳物を漁ってたときに半分くらい読んだ。ノーベル賞おめでとうございます。教授ってよりはジャーナリスト?と色物っぽい印象だったのは山形訳だと思ってたけど、池田さんもいってるからそうだということで。
Amazon:『クルーグマン教授の経済入門』

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2008年09月28日

『国のない男』

アメリカ人の20%しかパスポートもってないってほんと?アメリカ人でアメリカが好きじゃないひとなんているの、ヴォネガットさん?
Amazon:『国のない男』

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2008年07月10日

『インテリジェンス 武器なき戦争』

ほめ殺し合いの対談ってところは最後まで気に入らなかったけど、手嶋氏、佐藤氏の書いた小説だったらおもしろいだろうな、と思う。いくつかの抜粋。
米国にも、それ(ヒューミント)をやる技術と能力はあるんです。しかし「やることが許されない」というのが実態ではないでしょうか。開かれた社会を標榜している国ですし、メディアの監視も厳しいですからね。英国に比べても民主主義のハードルが高いので、あまり「汚い」ことはできないんですよ。(中略)しかしアメリカ人というのは、病的なほど嘘がつけないんですね。嘘に基づいた行動をとってはいけないということが、DNAに刷り込まれている。
「勝った者は決して白い歯を見せてはいけない。なぜならば、相手側が譲りすぎたことに気づき、交渉に禍根を残すからだ」。これは欧州に伝わる格言です。
外交というのは「薄っぺらい理論」が重要だと思います。(中略)そこに歴史問題などを絡めると複雑になりすぎるんです。だから薄っぺらい理論で土俵を制限し、勝てる状況を作って対応すればいいのに、日本外交は何もしない。上海の総領事館員が中国当局から脅迫されて自殺したなら官邸に報告して然るべきなのに、それもしない。中国と事を構えるのがイヤだからです。
外務省の構造的な問題として、多くの課長レベルの外交官は語学力が基準に達しておらず、サブスタンス(外交の実質的内容に関する知識)や交渉力も弱い状況になっている。日本の官僚機構で政策策定の要となるのは課長です。要するに、外務省の骨格自体が弱くなっているんです。
Amazon:『インテリジェンス 武器なき戦争』

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2008年07月05日

『Coyote (コヨーテ) No.29 サンフランシスコ・クロニクル』

サンフランシスコ、行ったときはシアトル目線であんまりすきじゃないかも...って思ってたけど、シアトルより暖かくてサーフィンできるし、電車でちょっと行けばスタンフォードやUCバークレーもあるし、やっぱいいかも(たぶん『水曜どうでしょう』のアメリカ横断編を再放送でみてるせいもある)。リチャード・ブローティガンを読んでみようと思う。彼の作品を多く翻訳している藤本和子さんというひとに興味を持った。
ITとかビジネスとかを勉強しないでいい年齢になったら、アメリカの大学で文学を勉強してみたいと思った。思うことはいつも、ここではないどこかへ(苦笑
Amazon:『Coyote (コヨーテ) No.29 サンフランシスコ・クロニクル』

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2008年06月22日

『週刊東洋経済6月21日号 最強の「読書術」』

成田暮らしになってから時間があるにもかかわらず読書量が減っていて、しかも買っただけで読んでない本がたくさんあるのに、空港内の本屋をうろうろして新書やハードカバーをとる気がしなくて久しぶりに雑誌を買ってみた。
いろんな文化人(?)が本の読み方を紹介していて、何人かのひとがメモをとることを勧めている。偶然、最近このblogにも引用バリバリしてるけど(著作権とか大丈夫かなー?と思いつつ)、それは、わたしは図書館で借りられるものは借りてくるので、必要なときに読み返すのが難しいからだ(そもそも読み返したりしない本が多いから買わないんだけど)。そういや誰かが月給の5%くらいは本に投資しろって言ってたなー。金額じゃない気はするけどたしかにそのくらい読めばいろいろ知恵もついてきそうな気がする。
KindleとLIBRIEが紹介されていたけど、図書館で電子ブックの貸し出しがされるなんて日がそのうち来るんだろうか?LIBRIEによると10MBで小説10冊分くらいというからCD-ROMにするまでもないだろうからダウンロードできればいいな。
池田信夫さんが英文毎日読め、って言ってたのが耳に痛い。インターン先のY女史もブックレビューを書く仕事をして、たくさんの本を読んだおかげで40歳を過ぎてからも英語力が向上したと言っていたのを思い出す。とりあえずテキストだったペーパーバッグと、シアトルで買ったあれ、ちゃんと読もう...それにしても勝間和代さんの顔が苦手だ。

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2008年06月15日

『ウィキノミクス』

『フラット化する世界』よりもう一歩突っ込んでわたしたちのリアルに近くておもしろい。

学校でビジネスプランの策定を習ったけど、具体的な成長率の数字を初めて知ったのでメモ。
現代を生き抜くためには、変化と成長を続けていかなければならない。「成熟期に入った企業は、毎年、5%から7%というゆるやかな成長を続ける必要があります」とラリー・ヒューストンは指摘する。

シアトルでプリングルス買ったときに青いインクで一枚一枚にトリビアが描いてあるのをみて気持ち悪いなあ、と思ったけどこんな努力があったのだ。
アイデアゴラは、社内では不可能なほどの革新をP&Gのような企業にもたらしてくれるだけでなく、価値を付加する能力をとぎすますとともに、すでにあるものを一から開発することを防止してもくれる。たとえば、プリングルスの新製品でポテトチップのすべてになぞなぞと動物の絵を描こうとしたとき、P&Gは、膨大な数のポテトチップにくっきりした絵を描くという作業が思いのほか、難しいことを知った。従来であれば、P&Gは社内に専門チームを設置したり、印刷会社と提携したりしたことだろう。ここでP&Gはアイデアゴラ活用の道を選んだ。技術を説明した文書を作り、この問題を解決できる備えある人材がどこかにいないか、グローバルネットワーク問い合わせたのだ。解答は、イタリアはボローニャにある小さなベーカリーから返ってきた。大学教授の助けを借り、食べられる絵をケーキやクッキーに描いているというのだ。(中略)こうしてP&Gは、従来よりもずっと低コストで、一年もかけずにプリングルス・プリントチップスの発売にこぎ着けた。P&Gでは同じ方法を全事業に応用することにより、最先端である必要のない分野の技術は社外から調達し、世界をリードできる分野に集中するようになった。この戦略は、本当に大きな配当をもたらした。革新をオープン化することにより、P&Gがいかに大きく変化したか、ラリー・ヒューストンとナビル・サッカが『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に描いた記事がある。(以下略)

先週参加したGoogle Developers Dayで、Googleが同じような検索ツールを中国大地震のために作成したというエピソードをどこかのセッションで聞いた。でもそれ以前のカトリーナですでにそういう取り組みはあったというのだ。
カトリーナ災害時の救援プラットフォーム、ピープルファインダーでは、非営利のソーシャルソフトウェアを運営していたデビッド・ゲイルハフを中心としたチームが、さまざまなデータベースやオンライン掲示板から行方不明者の名前と場所、年齢、説明などの関連情報を「スクリーンスクレイピング」という技術で自動的に集め、再構成して中央データベースとした。行方不明者情報を整理するため、ピープルファインダー・インターチェンジ・フォーマットというオープンソースのデータ仕様も作った。しかし新しいオンライン上の情報は彼らがつくったXMLフォーマットからは外れていた。これに対して彼はボランティアを募ってデータ書き直しの作業にとりかかった。最終的には65万に達したデータは、www.katrinalist.netに置かれた検索ツールでハリケーン直後だけで100万回いじょうの検索が行われた。

ほかにもたくさんの重要なエピソードとこれからの働き方が描かれています。ITに関わるひとでなくても必読だと思います。

革新的エコシステムの包括的なマップを作成する。
このマップで自社の価値創造がどこに位置するのか確認し、エコシステム内部の依存関係を評価してメリットの一部を手に入れるためにはどうしたらいいかを検討するのだ。描き出されるものは従来の競争原理でもなければバリューチェーン分析でもない。既存および章ありの自社偉業との関係で、参加者が知識を創出していく様子を分析し、明らかにするのだ。この対象にはパートナー各社や、競合他社を含むが、それだけでなく、学会や公共研究機関、シンクタンク、クリエイティブなコミュニティや業界コミュニティ、委託研究機関なども含む。自社の戦略と関係のある分野、すべてをカバーするとともに、グローバルなマップとしなければならない。
このマッピングにより競合他社はどの領域で革新を推進しているのか、自社の資源をどこに集中すれば、市場で自社を差別化できるのか、社員は、適切な知識創造のネットワークにアクセスできているのか。研究開発費を削減し、成長を促進し、エコシステムへの参加者を増やすため(アマゾンの電子商取引プラットフォームのように)公開できる製品やプロセス、資源はどれなのか。重要な革新を入手するため、あるいは自社の革新をライセンス供与するため、参加すべきアイデアゴラはどれなのか。

ウィキノミクスの設計原則

Amazon:『ウィキノミクス』

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2008年06月08日

『停電の夜に』

ちゃんと落ちる短編。上手だろうと思う。テーマは、個人的に今読むのはちょっといろいろつらい感じ。美しい著者、ジュンパ・ラヒリ。『その名にちなんで』は長編らしいけど短編が上手なひとの長編っておもしろいのかな。
Amazon:『停電の夜に』

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2008年06月07日

『クララ白書』

氷室冴子さんがお亡くなりになったそうです。合掌。小学校5年生のときに買って読んではスーパーマーケットの掲示板で売り、そのお金でまた別のを買って、クララからジャパネスク、『多恵子ガール』くらいまでほとんど読破したなあ。
えええー、3日前にボ・ディドリーさんも死んじゃったんだ。ボ・ガンボスのボはボさんからとったってどんとが言ってた。またまた合掌。お空で合唱。

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2008年06月01日

『おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 』

Life is beautifulの中島さんの本。アスキーでなにしたか、なぜミカカを辞めてMSKKに参加したか、そしてMS本社で何をしたか、そしてGoogleの誘いを蹴って起業したか、なんてことが(自慢と言い訳をまじえて)書いてある。スティーブ・ジョブズが「おもてなし」上手だったからソニーに勝ったのか?そこはよくわかんなかった。スーツとギークについて話すときに、MOT(Management of Technology)あたりが出てくのかなー、なんて思っていたけどやっぱりアメリカのスーツはCSとMBAの両刀があたりまえのようだ。
中島さんのいいところはいまだにプログラミング自分でするところだけど、ブログはきれいごとすぎて時々どうかと思う。Redmondにいたときは、Bellevueにある中島さんの会社の噂話みたいなのもちらほら聞こえてはいたけど、実際のビジネスなんてきれいごとだけじゃないんだろうな。ベンチャー企業のexitとして、あと自分がGoogleにjoinしなかった理由として自分の会社をGoogleに売るってことを3人の対談で何度も言ってるけど、ひろゆきにはバッサリと切られてるあたり、やっぱりちょっと年代が上のひとが無理してるって感じもある。MBAを取ろうと今もUWでがんばってることについては古川さんや梅田さんにも「時間の無駄」とかつっこまれてるのもちょっと笑える。根はギークで純粋かつ不器用そうなひとという印象だ。でももちろんMS株でがっぽり稼いだうちのひとりだろうけど。
Amazon:『おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 』

笑ってしまったけど、わたしは中島さんに励まされて、いい歳だったけど留学を決めたことを思い出した。そしてそれは実際におもしろかったし、いままで自分のためにしたことでは一番まともなことだったと思っている。

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2008年05月25日

『マイクロサーフス』

1993年のRedmondから1995年の阪神大震災の日までの、マイクロソフトをドロップアウトしてシリコンバレーでベンチャーに参加するプログラマー、ダンの日記。シアトルやサンフランシスコ、シリコンバレー、行ってないけどロスのCESなんかの話が出てくるのと、(元)同業者として痛いくらいダンの環境がわかるのでずっとにやにやしながら読んでいたと思う。宇和島屋が出てくるし、Apple本社のトイレには無料のタンポンがあることとか。10年前、Google以前(iMac直前)の話だけどそんなに古くさくは感じないかも。最後はなんだか泣けるし。
GAPについて語るところがおもしろかったので引用
「Jクルーは薄いベールをまとったGAPよね。アルマーニA/XはユーロGAPよね。ブルックス・ブラザーズはより多くの無駄な消費ができる年収を持ち、身体の線を隠し、アップスケールして、スタンダードかしなければならない人たちのためのGAPよね。ヴィクトリアズ・シークレットは女性の計算された悪女GAPね。マクドナルドはハンバーガーGAPでしょ」(中略)アッパーウェストサイドの疲れたコスモポリタンがドイナカ、ネブラスカ・スタイルのワーカーズ・シャツ(オートミール色の)を買うと、GAPのコンピュータは(疑いもなくロッキー山脈のどこかにある解体されたNORAD指令センターに隠されている)「瞬間的にアジアの生地生産者にメッセージを吐き出すの。"ドイナカのワーカー・シャツがホットだ"って。そして同じように、なにもないドイナカの農地に暮らす人間が、サイロから離れた生活を求めて、オックスフォード地のボタンダウンシャツを地元のGAPで買うと、コンピュータ化されたアジアのGAPの巣窟がプレッピー・リバイバルの準備に入るんだ」
Amazon:『マイクロサーフス』

この場をかりて日頃お世話になっているみなさまにご報告いたします。先週月曜日から某米国系footware企業のSystem Analystとして働きはじめました。しばらく物流倉庫で新システム導入のためホテル暮らししてます。都内のオフィスに戻ってこれるようになったらぜひ各方面にご挨拶させていただきたいと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。

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2008年05月12日

『神は日本を憎んでいる』

とにかく、もしあなたが外国人で東京に住んでいたら、そこにいるあなたの目的は、まったく疑わしいものだ。過去から逃げているか、元の場所では臆病すぎて、冒険のできる性格になりたいからか。それとも、日本人の女の子、それとも男の子が好きなのか。知りたくもないけど。でも外人との恋愛なんて、基本的に受け入れられない。絶対に。それは無理な話だ。5歳の時に家の外へ放りだされた経験もないんだから。それが必要条件だ。

  1. 自分が侍で、愛の神様だっとでも思い込んでいる。ほかの外人の存在は、性的な幻想を破壊してしまう。
  2. バーのホステス:副業で売春もする。オーストラリア男性が好き。
  3. マヌケな髪型のおかけで、自分の国なら苛められてるだろう英語教師。
  4. モデルと間違えられたい。英語教師のガールフレンド。
  5. 故郷で仕事を首になる。横浜で英語を教えれば、カネが稼げると聞いてきた。
  6. 一生もの。故郷で特別な人間でないことに耐えられなかった。酒飲み。ヨーロッパの週刊誌に日本についての雑文を断片的に書く。
  7. ローヌ・ブーランの重役。都市の広がりを見ると、私的な気分になり、優越感に浸れる。
  8. DJ業から得た貯金で生活:食生活はラーメンと合法パーティ・ドラッグ。
  9. 17年間いて、自分がもう”名誉日本人”だと思ってる。
  10. 下っ端の大使館職員:孤独で狂いそうだ。
  11. ”アジアの躍進国”で金を稼ぐつもり。何のスキルもない。
  12. とにかく何をしていいか分からない。
  13. 世界最大の都市で、”物事の全体像”を見つけ出すつもり。
  14. 日本社会の構造的因習は、若いフリーター世代による組織的な虐待に耐えて生き残れるのかどうか考えてしまう。
  15. 今日の午後、あまりに多くのケンタッキーフライドチキンの店舗を見つけて、日本文化の未来を憂えてしまう。
  16. すぐに静かな部屋に帰らないと、もう叫びだしそう。
  17. 3000年に自動車が存在しているかどうか考えてしまう。3000年に東京があるかどうかも考えてしまう。
  18. 日本は核兵器を持っているのだろうか?きっとあるはずだ。
  19. 今、目の前にいる日本人が、読んで来たたくさんの雑誌に書かれているように、本当に金で身体を売っているのか考えてしまう。
  20. たくさんの、常に進化し続けるCawaiiキャラクター商品のない世界に住むことなど想像もできない。
  21. 禅や寺院といった歴史的な舞台装置を信じる。
  22. 周りの人間と表面的に違うことが快感だということに、密かに罪悪感を感じる。
  23. 日本の全てがあの1981年のチープ・トリックの武道館ライブを中心に回っていると思っている。
  24. ミュージシャン。火星にいても外洋油田にいてもおかしくない。
  25. 日本人って一体なんだろう?みんなどこへ向かっている。
  26. この国と、そのかわいくて小さな人間たちに、爆弾を落としたことについて罪悪感を感じる。
  27. 込み合う地下鉄の中に立ちながら、レイプが題材の漫画を読んでるサラリーマンを見て、まだショックから立ち直れない。
  28. マッシュルームでラリッてる。
  29. 4万円のランチの勘定を払うはめになってしまった。
  30. 一生懸命やればここで何百マンドルも稼ぎ出せるはずだ。
  31. 英語を教えるのってなんて退屈なんだろう。
  32. 自分が求めているほど人は注目してくれない。アイライナーが足りないのかしら?
  33. 都市はあまりに巨大だ。それは地球の曲線を覆い尽くすものだが、なぜか全てがチェック柄のようだ。それはどうしてだろう?
  34. この国で古いものが見たかったのに、古いものが全くない。少しでも古いものは、破壊されてるか、捨てられてしまっている。
  35. 日本人は繁殖していないようだ。そのうち、贅沢と静けさを好む老人ばかりの国になるだろう。国は釣鐘曲線に潰されてしまうだろう。
  36. 僕の周りには、価値をなくしたセックスやステータス・グッズを売り買いする、隔絶された孤独な心の持ち主ばかりだ。
  37. なんて騒音だろう!でもその騒音の中から、偶然の瞬間んい、ビビッと優雅な一撃が送電される。完全な石、コンクリートからヒマの木が伸びている。タクシーの運転手は白い綿の手袋をしている。
  38. 今は本当に、奇跡と神秘の時代だ。僕らは素晴らしいアイデアの始まりを目撃しているが、誰もがそれを飼葉桶だと思っている。
  39. 全ての中に美がある。それは当然破壊にも。
  40. 僕の心のこりは、僕が死んだ時に、日本の次の章を目撃できないことだ。その後どうなったか分からない。日本が結果的にどうなったのかも知ることはないだろう。

ハワイにいる白人もこんな感じなんじゃないかと思う。海外から帰って来たいま読むと自分に照らし合わせて痛々しいく感じながらも、もっと早く読んでおけばもっと早く海外にいったかもと思える(シアトルじゃなくてバンクーバーだったかも。)久々の小説だけど物語っていう意味ではちょっと違う。地下鉄サリンのとき、神戸大震災のとき何をしてたか、それは今でも思い出せるし、ここでもグランジの始まりについて書かれている。でも昭和的価値観ってことからいっても75年生まれの主人公達とはやっぱりちょっとずれてるような気もする。
図書館で借りた初版の表紙には'God Hates'のみでJapanという文字の場所が白く抜けているし、イラストも違っている。ビジュアル本ともいえるくらいイラストが多いけどこのマイク・ホワットソンという画家も、カタカナではこの本でしかgoogleではひっかからない。
Amazon:『神は日本を憎んでいる』

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2008年05月11日

『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』

はじめにあるように、この本の目的は若者に「閉塞感の正体」を指し示すことだそうで、その閉塞感を取り除いて新しい道を指し示すことはできていない。閉塞感の正体は年功序列制度の残渣処理が終わってなくて、その負担を若者(たぶんunder 35くらい)がやっていかなくちゃいけないってことなんだろう。昭和的価値観ってことばが何回も出てくるけど、氷河期就職組のわたしにもこの価値観を完全に捨てきれない側面もあり悩ましく思う。これがいわゆる76世代とかだと違うのかしら。いままでの転職も留学も後悔することはないけど「組織から与えられる役割」を期待してのことであったのは否定できない。いまはこれがやりたい、という動機があるけど、雰囲気とかに目移りしてるのも事実だ。もうちっと煮詰めるべきだろうか。
Amazon:『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』

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2008年05月06日

Harvard Business Review 2008年 05月号

今回は「予測の技術」という記事を読まなければならないと思って買いました。わたしが学ぶべきはアルゴリズム化なんだろうけど要件がわかってないので、いまのところはただの読み物でした。「世代循環で未来を予測する」という記事ではアメリカの世代間についての傾向みたいなものが示されていますが、日本とは微妙に違うようですが、わたしはもちろんジェネレーションXです。ダグラス・クープランド、読んだなー、と思ったらいま北米では'X Saves the World: How Generation X Got the Shaft but Can Still Keep Everything from Sucking'が流行ってるのかも。published March 27, 2008, #13,997 in Books. 暴走気味にもいっこ追加すると'JPOD'、誰か翻訳して出版してくれないかなー。
こんなの読んでたらモテないだろうなーという気がしますが、たくさんの短めの記事のなかに、問題をいかに解決するかのエッセンスがちりばめられていておもしろいです。ちょっと高いけど定期購読してもいいかも。
Amazon:『Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2008年 05月号』

モテないといえばこの「男性から見て「悪くない」と思う女性のファッションランキング」、メガネ、ノーメイク、短い爪、ニット帽、ストレートジーンズ、ぺたんこ靴、これらすべてわたしの場合組み合わせでデフォ。そりゃきっと「悪くない」ではなく「ひどい」なんだろう。でもさー、Generation Xって言われ始めたころってグランジ最盛期で、わたしもワンピースの下にロングスリーブとスパッツ(!)重ね着とかして学校行ってたよ。

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2008年05月04日

『アマゾン・ドット・コムの光と影』

シアトルのAmazon本社が謎めいてるっていうのを書いて、タイムリーに図書館で見つけて一気読み。まあ、市川の配送センタールポは2chの転職板かなんかで読んだ通りで、目新しい情報は無し。ほぼ日が掛け率65%とか、「えいご漬け」開発の裏側とかbk1の社長の話が興味深かったけど、それって最終章だけで充分な内容だ。潜入レポとしてのエピローグがニューエコノミーの労働階級、格差社会論みたいになっちゃってるのは日本の話で、米国のドットコムまで踏み込んだ話ではないと思うし。とめずらしく辛口批評ぶってみる。
Amazon:『アマゾン・ドット・コムの光と影』

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2008年04月30日

『知的生産の技術』

元祖GTD本。しかし梅棹先生の定義だとわたしは今回の3冊はどれも読んでなくて「みた」だけ。
アメリカに半年以上いて日本の情報は簡単に触れることができたはずなんだけどほとんど見ていなかった。にもかかわらず戻って来ても別にたいした問題はない。どんだけ普段無駄な情報を見たり聞いたりするために時間使ってたんだろうと思う。そのくせに、ほんとうに有益な情報にリーチするには、タイミングが悪すぎたり。
Amazon:『知的生産の技術』

最近ぼんやり考えるのは、系統だった知識は必要ってことで、それがあるとないとでは、たとえば仕事しててもトラブったときの対処方法が違ってくるのは間違いないと思う。その知識も机の上で覚えるよりは、実際にぶっ壊したり計測したりしながら覚えるほうが、わたしには楽なんだけど。ということでいま唯一まじめに読んでるのがアジャイルプロジェクトマネジメントの本なんだけど、ちょっと読むとすぐ眠たくなって全然進まない。

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『ウェブ人間論』

平野啓一郎というひとにはちょっと興味があったけど、なんかこの本は梅田さんペースですすんでいてよくわかんないな。フランス人もカフェでラップトップぱちぱち打ってるなんてなんか想像できない。
Amazon: 『ウェブ人間論』

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『英語で仕事をする人の思考力と対人力』

オージーさんとの面接の前に図書館で借りて斜め読み。まあ、学校で習ったようなことばっかり。意外と売れてる本みたい。
Amazon: 『英語で仕事をする人の思考力と対人力』

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2007年08月16日

癒されたくて持っていく本

たぶん日本語の本を手にいれるのが難しくなりそうなので、読んでいる暇があるかどうかは別として癒しのために持っていく本。

伽藍が白かったとき
ル・コルビュジエがアメリカについて語っているのに興味を持ちました。

カラマーゾフの兄弟1
とりあえず1巻だけ。続きが読みたくなったらどうしよう...

空腹の技法
読んだような気もするけどアメリカで読むオースターははまりそうだから。

最後の瞬間のすごく大きな変化
これは2回くらい読んだけど、がっくり落ち込んだときに、なんとしても生きないといけないことを読み返して思い出すため。

投稿者 chiaki : 22:55 | コメント (2) | トラックバック

2007年08月12日

積んでるだけの本

英語で学ぶMBAベーシックス
新版 MBAマネジメント・ブック
MBA定量分析と意思決定

こっちはちょっとずつ読んでる。
やさしい経営学 (日経ビジネス人文庫)
財務3表一体理解法

あと2週間、まじめにやらないとな。
勉強する習慣がないんだよな、やばいじゃん。
電車でこの手の本開くと速攻で眠くなるし。
いや勉強は嫌いじゃないよ、もちろんだとも。

投稿者 chiaki : 22:42 | コメント (2) | トラックバック

2007年07月28日

『親日派のための弁明』

アジアカップ3位決定戦、延長戦前半でちょっと荒れてる最中ですが、韓国では有害図書になっているという『親日派のための弁明』を読みました。韓国にどのくらい親日派と呼ばれるひとがいるのかわかりませんが韓国ではかなり偏った意見なのだと思います。ところどころ苦笑してしまう箇所もあり。
ただのわたしの勉強不足かもしれませんが、5世紀くらいまでは朝鮮からいろんな文化がやってきたことを学校では習うのですが李氏朝鮮時代についてはほとんど知りませんでした。そしていわゆる自虐史観による教育を受けていたのか、日韓併合についての印象も学校で習ったのとは違う印象でした。角度の違う別の本とあわせてもう一度読む必要があるかもしれません。

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2007年07月05日

『論争格差社会』

論争格差社会英文エッセイを書かなければならない。お題はそのとき提示されるのだけど「格差拡大社会の是非について述べよ」なんて出るかも?と考えて手にとった。格差がない社会なんてないし、不安をあおって名前を売ろうとする社会学者のマーケティング戦略には乗らないぞ、と思いながら読んだ。なんだかトンチンカンな対談もあるけどまぁ、いろいろ考えをまとめるのには役にたつ。格差社会論からはちょっとずれているような気がするけど日垣隆氏の文章は興味深い。
昨日はIさんとKさんのイケメン二人とお仕事の話などしながら伍嶋でおいしい食事とお酒をいただいた。アントレプレナーKの話を聞きながらずっとモヤモヤ思っていたことがちょっと明らかになった。人がモチベーションをキープできるような働く場所を提供するのを自分の仕事にできないかと。この本でも触れられていたけどニートやフリーターなどの非正社員の人たちも能力が低くてそうしているわけではなく、マッチングしてないだけなんじゃないかなと。サラリーマンNEOでやってる「世界の社食」からなんて見てると自分がそこで働くことよりも、こういう場所を提供できればいまわたしの周りにいる能力があるのに仕事についてない人たちがハッピーに働くことができないだろうか...なんて考えている。
そんでテンション上がって平日なのに3時まで飲んで最後のほうの記憶がありません。

投稿者 chiaki : 23:15 | トラックバック

2007年06月16日

『昨日』

昨日は会社を休んでパスポートを取りにいった。空も海も真っ青で、みなとみらいでビールを買って芝生の上でアゴタ・クリストフの『昨日』を読んだ。ちょっとロマンチックすぎるような気がするのはいまのわたしがまったくロマンチックじゃないからか。アゴタ・クリストフは写真を見たけどオジサンなのかオバサンなのかわからなかった。
夜は地元でK氏とミーティング。同級生たちが東京じゃなく地元で起業しはじめてる。なんか楽しい動きになるかも。
連夜酒量多め。ひどい二日酔いにはならないけど完全に抜けた感じになるまで時間がかかるので今日はビール1本程度にセーブ。

投稿者 chiaki : 20:01 | トラックバック

2007年06月09日

『「英語モード」でライティング―ネイティブ式発想で英語を書く』

「英語モード」でライティング―ネイティブ式発想で英語を書く緒事情により英会話スクールに通い、学校が提供するレッスン内容ではないのだけどエッセイの添削も受けている。エッセイ本番まで日がないので簡単そうなこの本を読んで週に1,2本ペースで書いている。最初は自分でも意味不明なことばかりだったのだけどだんだん良くなってきているように思う。オーストラリア人のハワード先生がわたしに与えた最初の課題はwhalingでこれはなんともナイーブな問題だけど日本捕鯨協会のHPで彼らの言い分なんかを調べたりしたのはためになった。次は松坂大輔に50億の価値があるかというもの。英辞郎に頼り気味なんだけど(電子辞書には入ってないので本番は無理ぽ)最初は苦痛だった作文が楽しくなってきた。しかし毎回conclusionのBecause・・・を指摘される。もうちょっとマシになったらこんな上級編の本も読んでみたい。

生きた英会話をと考えてセカンドライフで外国の人とチャットするようにしている。残念ながら話はあまりはずまないので、黙って人の話立ち聞きしたりしてる。この前は象の耳つけて歩いてたら、緑色のカメレオンみたいな人に棒で"bam!bam!bam!"って言われながら叩かれた。強気で"What are you doing?"とかいいながらどんどん近付いていったら今度はトイレットペーパーをたくさん投げつけられてわたしのまわりにロールの山ができたので"clean up!"って言ったらその人が片付けた。しばらくしてまた絡まれたのでまたなの?と言いたくて"again?"って言ったら向こうが何がagainなんだ?というようなことを言ってきた。これでは通じなかったみたい。こんなときどういったら良いのでしょうね。

すごい人発見。W-ZERO3に英辞郎つっこんでるよ。
http://d.hatena.ne.jp/nabehisa/20060103

投稿者 chiaki : 00:42 | コメント (2) | トラックバック

2007年04月23日

『シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土』

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土去年発刊だけど、書いてあることは1999年から2001年にかけてのことで、全体的に古びた感じがするので買わず、たまたま図書館で見つけたので流し読み。webのシステムつくり始めたのが2001年くらいからだったのをぼんやり思い出す。あの頃世界では何が起こっていたのか知っていれば、その頃の自分がそこで起こっていることをもっと自分に近づけて考えることができていたら何が違っていただろう、なんてことを思ってみたりする。
最終章は数週間前の梅田さんのblogでちょっと火がついてたあたりにつながっているようだった。わたしは、このエントリのタイトルよりも本文の「好きなこと」と「飯が食えそうなこと」の接点を探し続けろ。そのことに時間を使えというこっちのほうがドカっときた。本の締めに書かれていた「muddle through」のプロセスを楽しむ骨太な行動文化ということばもちょっこっとここにメモ。

スコットランドリーグで俊介がMVPを受賞。スバラシイ。世界に向かってると世界が近付いてくるように感じるんだろうか。

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2007年04月19日

ヘンリー・ダーガー

ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で 美術手帖 2007年 05月号

ダーガーのおっちゃんが裸の少女たちを(内臓が丸出しで殺されてたりしても)描くことで性的に満足してたとしても全然わたしは問題ないのだけど(ここまで表現できれば立派な芸術だ)、美術手帖立ち読みしてて、やっぱりロリータエログロ事情(そっち系はどうも苦手)とかに照らし合わせて解説されちゃうとげんなりしちゃう。読む前は純粋に絵を楽しみに原美術館も行きたかったけど、どうだろ。
ダーガーは大人になんかなりたくない、というひとだったという。少年はどうだかよくわからないけど、いま少女でいるっていうのはとても危ういような気がする。彼女たちそれぞれが誰かに見守られていてほしいと思う。一昔前にわたしも少女だったんだけど、いつの間にか大した危険もなく大人になった。脱皮みたいなドラスティックな転換があったのかというとそうではないような気がする。処女イコール少女というように考えていないけど、ヒロスエのメディア露出方法にはちょっと首をかしげたくなる。たとえば先日亡くなった岸田今日子さんの中に少女性(?)みたいなものが見えたときのほうがドキっとするような、そういう意味で。

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2007年04月14日

カート・ヴォネガット死去

http://www.vonnegut.com/

鳥かごの扉が開いてツグミは飛んでいってしまったみたい。
高校生くらいの頃からずっと、翻訳されてるのを全部読み終わるとアーヴィングが死んじゃったらどうしようって思ってた。ヴォネガットはまだ読んでないのがだいぶあるから大丈夫と思ってたけど、やっぱりもう新しいものが出ることがないと思うととても悲しい。言葉や音楽が生業というひとたちを改めてすごいと思う。

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2007年03月15日

『生きることと考えること』

生きることと考えること森 有正
こんな本読んでると心配されそうで、たしかにウダウダ悩んでるんだけど、この本はいわゆる自己啓発とかではなく、森さんという哲学者へのインタビューみたいな本です。
親愛なるミスター・ヴァーティゴから経験主義者というシールをおでこに貼られて、そのことを思い出すたびに想像力の足りなさを指摘されているようでコンプレックスだったのだけど、それでもいいのだとこの本を読んで力づけられた。
わたしは嘘つくのは面倒くさいし、「・・・と思われます」なんて言いたくないから、「ことばの自己回転と理解の過剰」ではなくことばを自分のことばとして使う。「個的なものと普遍的なものとが、自分の名前」を与えることによって「自分のなかの経験に結び付けられて普遍的なものになる」っていうのは素敵に聞こえる。「愛とは・・・」なんて語るのではなく、「これが愛か!」と気づくようなのがそうなんだと思う。
ただこの本には「もの」については書かれているけど他(者)については書かれていないように感じた。自分のことはこれでいいけど、人のこととなると想像力を働かせるより仕方ないのかな、と思う。

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2007年03月10日

『ストレスフリーの仕事術』

ストレスフリーの仕事術デビッド アレン, 田口 元 (翻訳)
GTD(getting things done)の提唱者デビッドさんの本を百式の管理人の田口さんが翻訳した本。
ストレスが原因と思われる胃炎とストレス発散のためにお酒飲みすぎて肝臓系がやばいと診断されて、薬飲むまえに考え方を改めようと読んでみた。
「仕事と人生をコントロールする52の法則」とあるけど、52はとくにひとつひとつが独立して違うことを言ってるわけではなく、同じようなことの繰り返しのように感じたけど、まず自分のやりたいこと、やらなければならないことを書き出してみようと思う。もっと大事なのはきっと、やりたいことをやってる自分を想像しなければたぶんそれは実現できないのだろうと思う。
「なんとかHacks」なんて本がたくさん出てるけど、あれはgoogleだのNetvibesだのの使い方が書いてあるのかなぁ。

Lifehacking.jp
The David Allen Company

lifehacking.jpで紹介されてたCNNの記事より。
"Geeks are lazy. We don't want to have to do the same thing twice if we can automate it the first time round. We like patterns, processes, systems," Schoonover said.
わたしなんてまったくGeekだから普通のひとからは、ものすごい合理主義者に見られているんだろなと思う。

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2007年03月01日

『叶えられた祈り』

叶えられた祈り新潮社 トルーマン・カポーティ 川本 三郎 (訳)

エドワード・ホッパーの『ナイトホークス』が表紙だったら絶対買っちゃう。『冷血』は読んだことない。
3つの章からなる遺作だそうです。「ラ・コート・バスク」にユダヤ人の変わった青年、サリンジャーが出てくる以外は「まだ汚れていない怪獣」しか読みどころがわからなかった。

「まだ汚れていない怪獣」のなかで印象に残っているのは、コレットのクリスタルガラスのペーパーウェートの話と、ポルノ写真を拾っている男のエピソードと、盲目の老マッサージ師の話。

私は目が見えないうえに、こんどは脚が悪くなった、六十歳の老人だ。家もないし、行くところもない。見捨てないでくれ』。そうしたなんといったと思う。『行くところがないんならガスの栓をひねればいいわ』だと。これが最後っ屁だった。退院するとき手元には十四ドル七十八セントしかなかった。それでもできるだけ遠くに行きたかった。それでヒッチハイクしながらニューヨークに向かった。ヘレンのことは、どこにいようが、前より幸福になって欲しいと思っているよ。ひどい目にはあったが、恨んでなんかいない。脚が悪くて、目の見えない老人がヒッチハイクしながらアメリカ大陸を横断するのは並大抵のことではなかった」
無力な老人が、知らない道の脇で暗闇のなか車を待っている。デニー・フーツも同じように心細い思いをしたに違いない。ヘレンがボブにしたと同じ心ない仕打ちを私は彼にしたのだ。
わたしが知りたいのはその先だ。自分のことをひどい人間だとか、ろくでなしだとかいうひとが罪の意識をどうやって抱えて生きていくのか。
でもこの未完の小説にはそんなことは書かれていなかった。

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2007年02月28日

アートトップ新装刊3号

澁澤龍彦の宇宙
写真で何度か見たことのある澁澤邸、鎌倉に行くと洋館を見るたび表札を見てみたり(ミーハー)。金子國義や四谷シモンのコメントなどもあり。
バックナンバーを見ると新装刊1号の第二特集は船越桂だったらしい。でもイマイチぐっと掴まれない特集タイトルは狙いなんだろうか?

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2007年01月27日

『ミスター・ヴァーティゴ』

ミスター・ヴァーティゴポール・オースター 柴田 元幸 (翻訳)
小説家には失礼かもしれないのだけど、小説の技法とかそんなことより物語自体がわたしには重要で、読んでるうちにオースターのことなんかすっかり忘れて、よかったと思う。アーヴィングとカート・ヴォネガット・ジュニアが大好きだったらきっとこれは気に入ると思います。(ミセス・Wとウォルトが再会するシーンなんて『未亡人の一年』のラストみたいだし)
「飛び続けたら物語にならないけど、実際飛び続けたように見える人間はいるけど、飛び続けた人間はいないよね」ってともだちが言ってた。Mr.Vertigo、めまいは直ったのかな?

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2007年01月04日

『人生のちょっとした煩い』

人生のちょっとした煩いグレイス・ペイリー, 村上 春樹 (翻訳)
母の職場に新年の挨拶に行くと今日は休みだという。出勤予定だと聞いていたので実家の父に電話すると何も知らない様子で「仕事だよ」という。「あ、そうだっけ?」とシラを切って電話を切る。
母も人生にちょっと煩っているんだな、と思う。(結局風邪引いて早退しただけだったらしい)

男が会社で(社会で?)成功することが人生の目標で、女は家庭を守るのが仕事だった時代のフェミニストの書いた話だ。先日亡くなった祖母よりちょっと年上のペイリーだけど、うちのばーちゃんも50過ぎてからも仕事してたらしい。母も正月二日から働き通しだ。わたしも明日から仕事だけど、ペイリーにもばあちゃんにも母にもあってわたしに無いものがある。もちろんひとつじゃなくてたくさんあるけど、それがペイリーのTwo Ears, Three Lucks。

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『脳障害を生きる人びと 脳治療の最前線』

脳障害を生きる人びと脳治療の最前線中村 尚樹
父が脳卒中で倒れてから3年くらいになる。先々月祖母の葬儀で久々に会ったけれど、やはり病気の前とは別人のように感じてこの本を手に取った。生きることに希望が持てないせいなのか、高次脳機能障害なのかわからないけど、いまの父を受け入れる必要があるのは確かだ。

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2006年08月06日

『プロとして恥ずかしくないWEBレイアウトの大原則』

プロとして恥ずかしくないWEBレイアウトの大原則MdN MdN編集部
ダイレクトなタイトルと銀色の表紙(指紋べたべた)が恥ずかしかったのですが、お仕事用に購入しました。
この数日css漬けです。

Illustrator持ってないのでフリーのGIMP for Windowsを使っています。
この手のツールって言葉が難しくてwebで調べるのに異様に時間がかかかるため、あわせて『The GIMP BOOK』も購入。しかし、お絵かきは難しいです。

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2006年07月03日

『芸術起業論』

芸術起業論幻冬舎 村上隆
先日、村上隆や奈良美智などの現代アートはわからん、と書いたけどわたしは分かりたかったのです。丁寧でやさしい言葉で書かれたこの本でそれらの見方(=見てるだけじゃダメなのだけど)と村上さんが目指すところを理解することができたと思います。
漫画やアニメは暴力やセックスの描写が過剰という理由で好きではないのですが、壊れた世界で命を燃やさないといけないお金持ちの「物足りなさ」が芸術にむかいますから、金銭ですべてを解決してきたはずの富裕者の見えない欲望を確認するかのように、精神異常者の作品や性的虐待を含む作品が求められるときもあります。という説明になるほど、と思いました。
10年以上前のコム・デ・ギャルソンの洋服が消耗品であるのに、ヤフオクでけっこうな値段で取引されているのを見ていて、ある程度長いタイムスパンで流通する仕事について考えていたところ、村上さんはもっともっと長い時間「市場」に残る作品というのを意識していることを知りました。
芸術家のための起業論というよりもビジネス書として普通のサラリーマンでも十分楽しめると思います。

マチスのフォームというのは現代のいろんなデザインに影響を及ぼしているというのにはすごく納得。
わたしは高校生の頃、体育祭のときマチスの「王の悲しみ」を模した8m×4mくらいの旗を作ったことがあります。反対を押し切ってデザインを決めたような気がしますが、小学生のときの美術の教科書で見てからずーっとマチスが好きなのです。
いつか、一度テレビで見たマチスの教会に行ってみたい。

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2006年06月29日

『山椒魚戦争』

山椒魚戦争岩波文庫 カレル チャペック 栗栖 継 (訳)
古い本ですが今年のべストかも。
『園芸家12ヶ月』『ダーシェンカ』などは読んだことがあったけど、こんな面白い作家だとは知らなかった。しかも戦争中は発禁になるほどの本だったらしい。
知能をもった海に棲む山椒魚の労働力によって海洋に陸をつくる計画があるのですが、この二つの大きな島の名も、あらかじめ「新日本」ときまっていて、どちらの島にも、人口火山までつくることになっていたが、それは将来、これらの島に住む人たちに、聖なるフジヤマを思い起こさせるためだったり、深海魚の卵黄嚢についての報告をした山椒魚がいて、その論文をあえて引用した日本の学者オノシタ博士は、学界からボイコットされて、ハラキリを行ったり、などなど海洋国日本もしばしば登場します。チェコは海のない国なのでそこに行くことのできない山椒魚がチェコの歴史についてチェコ人と語り合うシーンがとても印象的です。
チェコ、ポーランドあたりの作家も読み始めたい。興味のある人はぜひ読んでみてください。オススメです。

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2006年06月24日

『新教養主義宣言』

新教養主義宣言晶文社 山形 浩生
バロウズの翻訳をやってる人として知っていたけど『伽藍とバザール』もこの人の訳だった。
90年代後半の文章をまとめたもので、やっぱりインターネット以前(まだパソコン通信とか言ってたころ)、9.11以前のこの手の文章は読んでもどうかと思っていたけど、意外と読めた。もちろん全部わかったわけではないけど、きっとわたしみたいな「無教養」な人をターゲットにしてこの本を書いたのだろうな、と思う。
それでも「プロジェクト杉田玄白」はブンガク好きなソフトウェアエンジニアにとってはかなりぐっときます。

読みかけの『ヴァインランド』、あれはやっぱり読み終えないと。あれはピンチョン作品とはまったく違うもので(もちろんそんな匂いがしたのであれを読み始めたわけだけど)、ピンチョンと山形さんのエピソードはかなり面白かった。

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『おとな二人の午後―異邦人対談』

おとな二人の午後―異邦人対談世界文化社 五木 寛之, 塩野 七生
塩野さんが意外と若々しく、女性らしいというよりも「女」という感じだったのに少々驚きました。『ローマ人の物語』は読んだことないけど、歴史研究家というか大学の先生みたいなイメージだったのかも。
内容はかなりいい歳のおとなが価値観について語っているのだけど、とてもコンサバティブ。もっと若いときの二人なら違ったことを言いそうな気がしました。
Amazon見てたら五木寛之の本も一冊も読んだことないことに気づく。

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2006年06月10日

大原美術館と私 50年のパサージュ

大原美術館と私 50年のパサージュ山陽新聞社 藤田 慎一郎
去年大原美術館に行ってとにかくすごい美術館だと思っていて、興味深く読むことができました。絵画ってこんな風に買うんだ、というのも初めて知りました。画商ってあこがれるなぁ。
絵や彫刻の一つ一つがこんなエピソードをもってここにきたのだと思いながらもう一度、必ず行きたいです。

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2006年05月24日

ラテンアメリカの小説の世界―想像力の目眩

ラテンアメリカの小説の世界―想像力の目眩北宋社 鼓 直
ボルヘス、プイグ、ガルシア・マルケスしかここで紹介されている作家は読んだことがないし、名前も初めて聞くのがほとんどだった。
1970年代にフランス語圏の人たちが読み始めてラテンアメリカ文学がブームになったと書いてあって驚いた。フランス語圏の人たちは小説のブームを先取る傾向があるあらしい。それから30年以上たったいま、流行でもなんでもないけどもっともっと読みたいと思う。まず『ドン・キホーテ』から。・・・その前にハック・フィンを読み終えないと。

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トゥルー・ストーリーズ

トゥルー・ストーリーズ新潮社 ポール・オースター 柴田 元幸 (訳)
エッセイを読むのは初めてかも。フランス語で仕事をしていた人だとは知らなかった。そしてジャン・ジュネがニューヨークで演説をしたとき横で通訳をしたというエピソードにはびっくりした。
でも一番印象に残っているのは墜ちた紳士ジョーの話。

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2006年05月17日

タモリのTOKYO坂道美学入門

タモリのTOKYO坂道美学入門講談社 タモリ
『アースダイバー』を借りるともれなくこれもついてきます、ということでお借りしました。こっちはお気楽なお散歩ガイド風です。
わたしは大学時代、高輪近くの学校に通い、麻布十番でアルバイトをして、小石川植物園近くのボーイフレンド宅にしょっちゅうおじゃましていたので、この本で紹介されている坂は知っているのもたくさんでかなり楽しめました。

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アースダイバー

アースダイバー講談社 中沢新一
来月中沢先生の講演を聞きにいくので、予習が必要かと藤沢アースダイバーのCane'sゲンさんにお借りしていっきに読みました。やっぱりエロスとタナトスを語らせたらこの人の話が一番おもしろいよなぁと思う。そしてそれが自分の知った土地に結びつけられると、民俗学とかそんなの置いといて、そこに行ったときドキドキするだろうと思う。
青山のコムデギャルソンあたりを歩いたら「婆沙羅」って言葉がアタマをよぎり、キャットストリートを歩けばその下の暗渠のことを想像しないではいられない。
皇居のことを語る部分はなんだか昔読んだ猪瀬直樹の本を思い出したけど、ぜんぜん系統違う?

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2006年04月24日

パラケルススの薔薇

borges-thumb.jpgホルヘ・ルイス・ボルヘス 鼓 直(訳)
ボルヘスという名前くらいは聞いたことあったけど、訳者の鼓さんのほうがガルシア・マルケスでなじみがあった。装丁がかっこよくて手にとったけど、4つの短編とロングインタビューからなる中身もすごかった。やはりいつの日かブエノスアイレスに行くだろう。

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2006年04月20日

あの夏、ブルー・リヴァーで

あの夏、ブルー・リヴァーで文藝春秋 イーサン・ケイニン 雨沢 泰 (訳)
うーん。一人称で十代の頃のけっして陽気ではない出来事を回想するように語られても、いまは何も感じない。それでも飽きることなくドーッと読めたのは、もちろん翻訳を読んでいるのだけど、表現が上手なんだろうな。でもそれは物語として優れているというのとは違う。
岡崎京子の『リバース・エッジ』を思い出した(イモヅル式にライ麦畑も、スタンド・バイ・ミーも)。こういうストーリーを楽しむことができなかったのは、ただ単に歳をとったということなんだろうか。また時間をおいて別の作品を読んでみようとは思う。

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こころの王国

こころの王国文藝春秋 猪瀬 直樹
『マガジン青春譜』をだいぶ前に読んで菊池寛にはとても関心がある。けど作品は読んでないなぁ。
これは秘書の女性の告白形式で菊池寛のことが書いてあるんだけど、あの猪瀬さんが女ことばで書いたんだと思うとちょっとヘン。
主人公の住まいが台東区の竜泉の西徳寺のそばという設定で、このお寺にはわたしの祖父母が眠っていて、たぶん両親もここに入るんだと思う。大正時代の話なのでもちろん今とはだいぶ違うけど、酉の市の描写も子供の頃をちょっと思い出した。ここに眠る祖父がよく『オール読物』を読んでいて、一緒に住んでいた小学校高学年の頃、エッチな部分だけ盗み読みしてたのを思い出した。
横浜の描写では実際に今もある建物や場所の距離感がわかっておもしろい。もう片方の祖父母が、戦前だと思うのだけど、ホテル・ニューグランドの前で寄り添う写真を見たことがある。祖父はとても男前でお洒落で、祖母は新婚で幸せそうな写真だった。
そこでふと考えた。アメリカに行ってみるのも悪くないかな、と。アメリカの現代小説が好きだけど距離感や土地の様子がまったくつかめないことが多い(しかもわたしの読む小説の主役クラスの人物は逃亡したりすることが多い)。知っている場所が書かれていればもっと作品が近くなるかも。

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2006年04月17日

お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ

お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへPHP研究所 邱 永漢、糸井 重里

お金のことを考えるっていうのは仕事のことを考えると切り離せないけど、お金のことを先に考えると仕事のことはつまらなくなる。やりたいことで必要なだけのお金が稼げればいいけど、そうやってるひとを見る機会はあまりない。
Qさんは経済評論のえらい人と思ってたけど意外とおもしろい。台湾から香港に亡命した理由とかも知りたいと思った。この本の糸井重里はなんかぶりっこっぽくてあまり好きになれない。

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2006年04月14日

ウェイクフィールド / ウェイクフィールドの妻

ウェイクフィールド / ウェイクフィールドの妻新潮社
N・ホーソーン 柴田元幸(訳)/ E・ベルティ 青木健史(訳)

1835年のアメリカでホーソーンによって書かれたロンドンを舞台にした10ページほどの短編『ウェイクフィールド』と、ブエノスアイレス(!)生まれのベルティが1999年に書いた『ウェイクフィールドの妻』が一冊になっている本。
ホーソーンは『緋文字』で世界に認められた初のアメリカ作家といわれているそうです。
いつもだと途中であとがき読んだりするのだけど、今回は『ウェイクフィールド』、『ウェイクフィールドの妻』、もう一度『ウェイクフィールド』と読んでから柴田さんのあとがきを読んだ。わたしは覚えてないけど、『ウェイクフィールド』はオースターの『幽霊たち』でもパロディーとして使われているそうだ。
「妻」は南米の作家という先入観念もあって面白く読めた。20年にわたる物語なのに、年月の経過はたいした意味をもたず(処刑のシーンなんかは1800年代とはいえイギリスというより南米というより北朝鮮みたい)、ラストのあっけなさなんかはガルシア・マルケスの『百年の孤独』みたいだと思った。夫について書かれた200年前の小説を妻の側から書いているところ、語り手がちょくちょく読者に語りかけてくるところ、単純に物語を楽しむのとは違ってニヤニヤしながら読める本です。柴田ファンならずとも翻訳文学が好きな人にはオススメします。

関係ないけど、ガルシア・マルケスっていうお洋服のブランドがあるんですね。キワモノ系なのか真性ギャル系なのかわたしにはわかりませんでした。

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2006年04月08日

Software Design

Software Design 2006年4月号技術評論社
久々にお洋服の雑誌でも買おうかと思ったらなぜかこっちをレジに持っていってました。
今、会社でグループウェアの選定やってて、採用されるわけないけど、超気になったのがZimbra。すげーな、Ajaxって。
昔だったらどうやってこういうの作るんだ?って気になってたけど、今はどうやってこれを使って仕事してやろ?って考えるようになった。ほんとのほんとは「こういう会社見つけて買収とかできたらいいのに」って思ったけど。

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2006年03月23日

いつか読む作家のリスト

ジョン・バースはこのあいだ手にとったけど、癖がある感じで棚に戻した。 ローレンスって何ローレンス?

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2006年03月15日

直伝!プラニング編集術

直伝!プラニング編集術東洋経済新報社 ISIS編集学校, 松岡 正剛 (編集)
去年の夏に一度読んだのですが、新しいサイト作ろうと思って再読してます。
メタファー稽古がけっこう好きです。ISIS編集学校のとりあえずWEB門前でも申し込んでみようかな・・・。
松岡さんは千夜千冊で知りました。たぶんリアルで会ったら好きになっちゃうでしょう。

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2006年03月07日

会社人間の死と再生

会社人間の死と再生扶桑社 村上龍
おどろおどろしいタイトルだけどインタビュー集なので数時間であっさり読めます。金融とかゼネコンなんかはあまりにも縁遠いのでしっかり読まなかったけど、外資系IT企業のひととか、倒産経験者とかは身近で他人事とは思えない。一番面白かったのは脱サラ起業者で、元一流企業のサラリーマンは年収は激減してるみたいだけど、楽しそうだった。
村上龍が言っていたけど、50代くらいの人で、趣味で自己実現してる人ってやっぱりほとんどいなくて、仕事で何かを残していく、ってところ。わたしはわりとオールドタイプなので、これはうなずける。「競争に勝って高収入を得る、家族との幸福な食卓、余暇を活かして趣味を楽しむ、いろんな価値観があるのけど、やりたくないことを徹底的にやらないというようなマニアックな選択肢」もあり、というのはなるほどね、と思った。今は何がやりたいか、ってよりはやりたくないことの方が圧倒的に思いつくし。
2003年2月初版とあり、JMMとの連動した企画だったのかもしれない。またメルマガ読んでみようかなと思う。

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2006年03月01日

蝶が飛ぶ葉っぱが飛ぶ

蝶が飛ぶ葉っぱが飛ぶ講談社文芸文庫 河井 寛次郎
『河井寛次郎の宇宙』と文章は同じものが多い。「陶技始末」は陶芸がわからないのでちょっと難しいけど、ゆっくり読み直していこうと思う。

自分はこの世へ喜びをさがしに来ただけだ
考えは間違ってもからだは間違えぬ
人がさがしてくれた自分‐本を読む
喜びの足りない時が失敗
知る事は大事 忘れる事はなお大事

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河井寛次郎の宇宙

河井寛次郎の宇宙講談社カルチャーブックス 河井寛次郎記念館編
作品の写真が多く、記念館に行ったときは建物や家具ばかりに目がいってあまり見ていなかったことを後悔しました。
梅棹忠夫さんの文章があって、寛次郎の娘さんの須也子さんの子供の時の回想がよかった。

此世は自分をさがしに来た処‐居たか、居たか
 此世は自分を見に来た処

自分がつくっている自分 自分が選んでいる自分

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2006年02月23日

冬の猿

未亡人の一年文遊社 アントワーヌ ブロンダン 野川 政美 (訳)

曇天の冬のフランス郊外という雰囲気は伝わるけど、35歳の酒に溺れる子持ち男にも、60歳の戦争体験を引きずる男にも、また彼らの気持ちが交わるところにも、どれにも感情移入できず、よくわからない作品でした。
あのくらい飲みほしたいという気もするけど、最近は飲みすぎては後悔するばかりだし・・・オェ。
「読みはじめたからという理由だけで最後まで本を読むことはない、ということに気づくには35歳というのはよい年齢だ」とかなんとか、最近読んだ別の本に書いてあったような気がするけど、わたしにとってはこの本はそんなだったのかもしれない。

装丁がいいなと思ったら映画化されてるらしいので、そのラストシーンなのかも。フーケ役はジャン・ポール・ベルモンドらしいので、ちょっと見てみたい気もする。
出版元の文遊社のラインナップ、おもしろい。

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2006年02月18日

未亡人の一年

未亡人の一年新潮社 ジョン・アーヴィング 都甲 幸治, 中川 千帆 (訳)

怒りや恐れや悲しみ(主に女性の登場人物がもつ)を、「怒れるのはいいことだ」というように受け止めてくれる人々がいて、彼らもただ優しく魅力的なだけでなく、その人のげんなりするようなところまで描ききってるところ。
娘と父という二人の関係と、母の失うことへの怖れ。(最後のマリアンのセリフでは失うこととは違うみたいだったけど、父娘はそう理解して37年間過ごしたように書いてある)。わたしは母じゃないけど、この二つはなんだか旬なテーマで、また自分に言い訳してる気がする。
そしてなによりもストーリーとプロット。90年代の設定だからか、他の作品と比べて現実的な印象なのと、やっぱりこれはアーヴィングの物語だということは間違いない。
ラストの一行を読んだあと、窓をあけて月を見たら輪郭がぼやけました。
映画化されてるらしいけど、どこをどうやってしたんだろう・・・?

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2006年02月08日

ウェブ進化論

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるちくま新書 梅田 望夫

梅田さんのはてなのサイトはちょくちょく見ていたので、内容に驚くことはないけれど、やっぱりこうやってまとめて読むことによって思うことは多々ある。
わたしは「不特定多数無限大への信頼」を寄せていて、オープンソースへなんらかの形でコミットしていきたい、と思っていたことを思い出した。ひさびさに「伽藍とバザール」を読み直してみたいとも思った。
blogについての言及はやっぱり自分のところについて考えさせられる。新しいblogのぼんやりしたアイデアはあるのだけど、そのアイデアを誰かと共有することさえ、なかなかできない。これは今年の個人的な重点実施課題だ。また、SNSについて、わたしはmixiに参加しているけど、いまいち利用価値がわからないでいたのだけど、それに対するひとつの回答がでていたような気がする。
梅田さんは、脱エスタブリッシュメントと称して、若い世代との出会いと、彼らの才能を見失わないように担保することを自身の重要な役目だといっている。ビル・ゲイツが1955年、ラリー・ページとセルゲイ・ブリンがわたしと同じ1973年生まれ、18年周期で世代交代すると仮定すれば、次は1991年生まれになることが書いてある。10年後、自分がその世代とどうかかわっていくのか想像してみようと思う。

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2006年01月18日

バースデイ・ストーリーズ

バースデイ・ストーリーズ中央公論新社 レイモンド・カーヴァー, ポール・セロー, ラッセル・バンクス, デニス・ジョンソン, ウィリアム・トレヴァー, ダニエル・ライオンズ, リンダ・セクソン, デイヴィッド・フォスター・ウォレス, イーサン・ケイニン, アンドレア・リー, 村上 春樹

もうすぐ誕生日だし、誰かにプレゼントするにもいいかと思った。
ラッセル・バンクスの『ムーア人』が一番ハートフルでよかったけど、まぁ、誕生日なんて何回もやってればいい日ばかりじゃないし、他のも作品も十分に楽しめた。
村上さんが二十歳の誕生日のことを覚えてる人は多い、なんて書いてあったけどわたしはあんまり覚えてない。プレゼントの誕生石のピアスは今も両方揃っていると思うけれど。
それにしても、まだまだ作品を読んだことない「生きてるアメリカ人の小説家」はたくさんいて、柴田さんと村上さんの仕事によって、わたしの楽しみはまだまだ終わらないのはうれしい。
そろそろ本読むの止めて行動しよう、なんて書いたばっかりなんだけど、今週は仕事もたっぷりしてるし、ちょこっとだけ先に向けた行動もしたのでよしとする。(誰に言い訳?)

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2006年01月14日

ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を

ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を新風舎文庫 菊地 敬一
大学生の頃、下北沢のヴィレッジ・ヴァンガードに初めて行ったとき、こんな本屋あり?と思って驚いた。たぶん、「クイック・ジャパン」のバックナンバーかなにかを買って帰ったような気がする。
当時、本屋やりたいなぁ・・・とぼんやり考えていたと思う。
場所は北鎌倉から鎌倉に抜けるあたりで、ガレージみたいなところに現代アメリカ小説とノーマン・ロックウェルとエドワード・ホッパーとベン・シャーンの画集を並べて、冬にはアラジンのストーブ焚いてお客さんとコーヒーとか飲んじゃうような。
その頃は「河童が覗いたヨーロッパ」に影響されて、天井から見下ろしたような店内の絵も書いてたはず(笑
藤沢で本屋やってた人の息子さんから、最近ご両親はお店をたたんだという話も聞いたし、この本のなかにも大変さはたくさん書いてある。まぁ、要はやる気か。

この本の出版社の新風舎もなんだか気になる出版社だ。最近、この会社が社内SE募集しててちょっとだけ気持ちが動いたけど、気持ちを落ち着けて見過ごした。
そろそろ本を読むのをやめて、考えたり行動したりしていかなければ、と思う。

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2006年01月11日

翻訳夜話2 サリンジャー戦記

翻訳夜話2 サリンジャー戦記文春新書 村上 春樹, 柴田 元幸
だから君も他人にやたら打ち明け話なんてしないほうがいいよ。
ブログなんてまったく頭のイカレたやつらのやることだと思ってたけど、やり始めてみると、自分の気持ちを言葉にするように努力してみたり、誰かと何かを共有するような気分になったりして、何も変化はなかったとは言えないよ。
でも本当に強く思ってることなんて、こんな場所には書けないし、無責任って思われるかもしれないけど、書いた途端に嘘みたいに感じることだってある。
だから都合のいい、サラサラした毒のないことばかり書くようになるわけだけど、それでも見知らぬ人から同じように感じているなんんてメールもらったり、ときどき心配してくれる人とかがいるわけで、そんなときは自分がインチキ臭いやつに成り下がった気がして滅入るよね、まったく。

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エロティシズム

エロティシズム中公文庫 澁澤 龍彦
前半は形而上的なお話で面白かったけど、後半は澁澤の名前が表紙についてなかったら、電車の中で読むにはちょっと恥ずかしかった。
ボーヴォワールが何度も槍玉に上げられててかわいそうだったけど、あとがきで、書いた当時と現在では意見が違うので大目にみてほしい、なんて書いてあるところが気に入った。
エッチのときにわたしがイメージすることがなるほど、と思う文章で書いてあったけど、引用するとエロサイトからトラックバックとかされそうなのでやめておいたほうがよさそう。

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2006年01月04日

哲学の謎

哲学の謎講談社現代新書 野矢 茂樹
ほとんど酔っ払いながら読んだ。
5分前に世界が始まったとしても、いまと何一つ違わない世界で、ことばによって虚構を紡ぐんだって。対話形式なんだけど、こんなインテリジェントな会話、かっこよすぎて吐きそう。・・・ただ飲みすぎてるだけか。
野矢先生は「無限論の教室」についで2冊目だけどオススメです。

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手紙、栞を添えて

手紙、栞を添えて朝日新聞社 辻 邦生, 水村 美苗
文学についての往復書簡で、読みやすいけど、ほとんど読んだことのないものばかりだったせいか、なにも心には残らなかった。
ひとつ面白かったのは「若草物語」なら自分は誰、というやつ。子供の頃、わたしは図々しくべスだと思ってた(笑

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7つの習慣

7つの習慣キングベアー出版 スティーブン・R. コヴィー 川西 茂 (訳)
昨年12月に読了。何度か読むかも、と思って久々にハードカバーを自費で買った。
わたしは結構素直なので(って書くとばかみたいだけど)、なるほど、と思って読み始めた。相互依存の部分は特にそう思った。
けど、win-winになれるような関係ばかりではないし、結局はキレイゴト並べてあるだけのような気もするのは、いま自分の気持ちがにごっているからだろうか。

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体の贈り物

体の贈り物マガジンハウス レベッカ・ブラウン 柴田 元幸 (訳)
何の感情の表現もなく、淡々と死へ向かう人たちのことが書いてあります。
おばあちゃんが死にかけているので、母に贈ろうと思います。

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ジャック・ウェルチに学んだ仕事の流儀

ジャック・ウェルチに学んだ仕事の流儀サンマーク出版 ロザンヌ・バドゥスキー 小沢瑞穂(訳)
昨年12月に読了。
久々に仕事に対するテンションがあがった。けどウェルチ礼賛、という印象も大きすぎてちょっとうざい。誰もがウェルチみたいな人にマネージメントされてる訳じゃないしね。

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2005年12月03日

機械・春は馬車に乗って

新潮文庫 横光利一
半分くらい読了
横光利一は中学の教科書で『蝿』を読んだだけだった。でも強烈に覚えてる。

今年はよく本を読んだ。なんとなく12月なのでよかったのを挙げてみる。

短編小説はグレイス・ペイリーの『生きること』、横光利一の『春は馬車に乗って』。
長編小説は『タイタンの妖女』かなぁ・・・。
今年はわたしの中での仏文元年だった。
すべてのジャンルでもベストはクリストフ・バタイユの『安南』。
もうひとつ、ボーヴォワールを教えてくれた朝吹登水子さんが亡くなったので『わが友サルトル、ボーヴォワール』。
書評は福田和也ばっかりだ・・・。蓮実重彦の『小説から遠くはなれて』は読みきれなかった。
ノンジャンルでは梅棹忠夫。また別のを読んでみたい。

でもまだ今月もスパートかけて読みまくる予定。

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ろくでなしの歌-知られざる巨匠作家たちの素顔

ろくでなしの歌メディアファクトリー 福田和也
ほとんど読了

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東京の昔

中公文庫 吉田健一
ゆるりと読了
その重吹と波の間を行く鳥が酔っているのを自分は感じると書いた詩人がそれを感じていない訳がなかった。
Perdu sans mats, sans mats, ni de fertiles ilots.....それは難破に命を賭しても自分の眼で確かめたかったことかもしれなかった。

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現代文学

現代文学文藝春秋 福田和也
おおまかに読了

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ジョン・アーヴィングの世界

サンリオ ジョン・アーヴィング他
1986年1月出版の今はなきサンリオの本。
この本もいいけど、当時のサンリオ文庫のラインナップがすごい。
・ G・マルケス 『エレンディラ』
・ K・ヴォネガット 『ヴォネガット、大いに語る』
・ J・アーヴィング 『ガープの世界』
・ T・ピンチョン 『競売ナンバー49の叫び』
などなど。

当時わたしは13歳。
『ライ麦畑』が14歳(小沢健二は12歳とか言ってたな)で、それ以前は子供向けの文学全集のほかは何を読んでたのか、全く覚えてない。

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2005年11月27日

若かった日々

若かった日々マガジンハウス レベッカ・ブラウン 柴田 元幸 (訳)
最後のページに、小学6年生のとき、父と出かけた最後の記憶の、わたしたちが釣りをしている写真が挟まっているのではないかと怯えながら読んだ。
原題は"The end of youth"。
レベッカ・ブラウンの写真を見たことがある。わたしと似ていると思った。

ひとつ、すごく気になる訳があった。
洋服だか、モノだかの複数形を「たち」って訳してあったところ。
「洋服たち」とか、そういう言い方って、女々しいというか、わたしは言わないよな〜、と思った。
原文がどう書いてあるのか、柴田さんの意図があるのか、知りたい。

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2005年11月08日

安南

安南集英社 クリストフ・バタイユ(著) 辻 邦生(訳)

今年一番のヒットです。何年かしたら、マイベスト5に入るかも。
キリスト教のことも、フランスとベトナムの歴史もほとんど知らないけど、簡潔なのに、豊かな(こう書くとわたしの表現の貧相さが明らかだけど)文章だけで読める。
昨日ラディゲをすごいと思ったばかりだけど、これはクリストフ・バタイユの20歳のときの作品で、もっとすごいのは、ランボーもラディゲも死んでるけど、このバタイユは1973年生まれで今も生きている、同世代の作家だということ。アブサンは読んでしまったので、あと一冊しか翻訳されてないみたいなのが残念だ。フランス語が読めたらいいのに。
ところで、フランスの暴動はどうなっちゃうんだろう・・・。

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2005年11月07日

肉体の悪魔

新潮文庫 ラディゲ(著) 新庄嘉章(訳)

新訳も出ている模様なので、もっと古臭い訳なのかと思っていたら読みやすかった。
何の情景描写もない少年の独白が、甘ったるくて残酷なのを「ふーん」と眺めるつもりだったのに、少年はわたしで、マルトもわたしで、ジャックでさえもあって、読んでる間はずっと酔っているみたいだった。ちょっと疲れた。
辻堂駅のさえない本屋の棚から見つけた、ほこりのかぶった珠・・・と思ったら平成16年で75刷とあるから、すごいね。

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2005年11月05日

無限論の教室

無限論の教室講談社現代新書 野矢茂樹
むずかしいけど、面白かった。
最後は小説読んでるみたいにドキドキした。なにかひっかかっるな、と思ったら、ヴィトゲンシュタイン。
0/1の直線を理解するためにもう何度か読むことになりそう。

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2005年10月16日

アブサン・聖なる酒の幻

アブサン・聖なる酒の幻集英社 クリストフ・バタイユ(著) 辻 邦生 堀内 ゆかり (訳)
アブサンを含ませた砂糖をなめてみたい。読後は、耳の後ろがボーっとするような、軽いアルコールを嗅いだような感じがした。
リンドウは決してよい香りはしないけれど。

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2005年10月05日

民族学者の発想

平凡社 梅棹忠夫

梅棹先生は、もとは数学が専門で、みんぱくの初代館長で、失明してる方だそうです。
時間をかけて読みすぎたので、最初のほうは忘れてしまったけど、「教養について」、「音楽について」、「芸能について」、「国家と民族について」は、別々の人との対談なのにドーッと流れてくるように読めた。

「国家と民族について」の一部をちょっと要約すると・・・
帝国というのはそれぞれの民族が噴出することなく、ゆるやかな文明としての統合をとげている。宗教や言語、風俗、習慣については寛容だけど、そのかわり出すものは出せ(税金とか兵役)、というある意味では居心地のよい秩序だった。

んで、いまのマイノリティとかエスニシティの問題は、というと「秩序」の基本になるものがないから難しいだろう、と締められてました。
難しいけど、もう少し自分の頭で考えてみる必要がありそう。

今日この講演ログを読んで「自分で考えなきゃ」というのを改めて感じた。
ちょっと矛盾するけど、「アナロジーで考えないでそのまま受け止める」っていうのもイイ。これはちょいちょい実践してる(笑
CNETで梅田さんのコラムは読んだことがあったけど、ほかのも読んでみたい。

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2005年10月03日

マイ・アイドル

tone 2005 no.3わたしの10代の頃のアイドルがTONEという雑誌の表紙になってたので思わず買ってしまいました。妙に赤ら顔で老けた。
・・・でも若かりし頃の写真は、やっぱりカッコイイ。
インタビューではキース&ミック、U2、マドンナをぶった斬っております(笑)
さらに別の特集ではボブ・ディランの若かりし頃の写真(ちょーいい感じ)や、ピタピタ・レッド・パンツで足をくねらすフレディ・マーキュリーのライブの写真もありました。
Gang of Four(オブジェクト指向の人々ではない)のCD買っとくか。

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2005年09月17日

奇跡

奇跡集英社 岡本敏子

今年4月20日に急逝されたのがいまだにピンとこない。
前半はほとんどセックスの描写で、謙介はきっと太郎なんだろうけど、これも、なんともうまく想像できない(笑
いまごろ天国でよろしくやってるのであればオーライ。

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いまどきの老人

いまどきの老人朝日新聞社 柴田 元幸, 畔柳 和代(訳)

ものすごい印象はどれにもないけど、この前読んだ「豚と精霊」の「老年期」に書いてあったみたいなことと比べると、いつもと違う読み方ができる。
スチュアート・ダイベックの「冬のショパン」はいつもの読み方でも、ちょっとよかった。

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帯をとくフクスケ―複製・偽物図像解読術

中央公論社 荒俣宏

88〜89年に雑誌「マリ・クレール」に連載されてたエッセイだそうです。
「潜水マスクがない頃の海中事情」が興味深かった。西洋人は海中を断面に書いているのに対して、北斎はごく自然に上から覗き込んでいる。
最後までは解説しないで、余白を残して話が終わるのもいい。

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近代の拘束、日本の宿命

近代の拘束、日本の宿命文春文庫 福田和也

難しくて2割くらいしか理解できてないと思う。梅棹忠夫と横光利一は読んだほうがよさそうだと思った。

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2005年09月10日

青の物語

conte_bleu-thumb.jpg白水社 マルグリット・ユルスナール 吉田加南子(訳)

「青の物語」、「初めての夜」、「呪い」の3編からなるおそらく絶版になっている本。
装丁は何種類かの青が使われててきれい。写真ではきれいに色が出てないけど、タイトル部分はビリジアンブルー?っていうのかな。本文のフォントが大きいのも神秘的な感じに見える。
「青の物語」はたぶん、若い頃の実験的な小説というか、詩のような感じで、未読だけど「東方綺譚」につながっていくのではないかという気がする。
「初めての夜」を読みながら、ユルスナールって男性だったのかな?と思ったけれど、女性だそうです。ギャツビーのトムを思い出した。若い奥さんはまるでバカのように書いてあるけど、デイジーのこととか考えて読むと、女はもっとしたたかだろうな、と思う。「呪い」は小説としては3つのなかで一番良くできているように感じた。
他の作品もきっと読むだろうと思う。次はこれかな。

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豚と精霊


豚と精霊ライフ・サイクルの人類学
どうぶつ社 コリン・ターンブル 太田至(訳)

論文調ではないし、フォントが変わっていて読みやすそうだと思って社会人類学(≒民族学?)の本を手にとった。
アフリカの森に住むムブディという民族のフィールドワークと、スコットランド出の著者の個人的な体験との比較がメインで、多少、未開社会を美化しすぎた論調ではあるものの、興味深い内容だった。
あまり考えたことがなかったけれど、警察権力や刑罰がなくても秩序を保つことができる社会というのが存在している。著作権とかあるからここで引用していいのかどうかわからないけど、思い出す必要がありそうなので書いておく。

人間の行動は外的・物理的な強制力によって統制されるのではなく、個人の信仰や信義によって律されているのである。このシステムがうまく機能するのは、安全で満ち足りた生活は社会的な存在として生きることによって保証されるという経験を、人びとが幼年期からつみかさねているからにほかならない。

詩でも律法でもないんだ・・・。もうひとつ引用。

(略)世界がむこうからやってくるのを傍観しながら待っているのではなく、みずから行動をおこして人びとを豊かにした

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2005年09月03日

最後の瞬間のすごく大きな変化


最後の瞬間のすごく大きな変化
文春文庫 グレイス・ペイリー  村上 春樹 (訳)

今も生きてるアメリカのおばあさんの短編集。
「生きること」と表題の「最後の瞬間のすごく大きな変化」に圧倒された。
唐突な箇条書きが好きだ。こんなの読んだ後に白州正子読んでも何も響かない。

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2005年08月18日

ボーヴォワールは語る―『第二の性』その後

平凡社ライブラリー アリス シュヴァルツアー  福井 美津子 (訳)

もうチャンスがない女性もいると思います。三十五歳にもなって、既婚で、四人の子どもをかかえ、なんの技能もなければ、そんな女性がどのように自分を解放できるのか、わたしには疑問です。成功の見込みがあるのはいま伸びつつある世代だけです。

これを読んだとき、びっくりした。「言っちゃったよ〜!」と思った。
この発言は1972年のもので、今ではもっと別の考え方ができるような気がする。
だけど、わたしはボーヴォワールの発言に妙に賛同してしまう節がある古臭いタイプなのかもしれない。あんまり若いうちに読まないでよかった、と思う。
ボーヴォワールは1908年生まれだ。今、1922年生まれのアメリカのばーちゃんの小説を読んでる。どっちもフェミニストで社会主義者だったらしいけど、こうも違うものかと面白い。

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わが友サルトル、ボーヴォワール

読売新聞社 朝吹登水子

サルトルの哲学もボーヴォワールのフェミニスム論も何も知らずに読んだけど、だから良かった。
この本にもそんなことは書いてなくて、著者と彼らの食事の内容とか、ちょっとした会話など、でもサルトルとボーヴォワールがどんな人だったのか、想像しやすくて良かった。
サガンとかジャン・ジュネとかも普通に登場する。ちょっとだけど、同時代を生きていた人々なんだ、と改めて知った。

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2005年08月04日

緑の資本論

集英社 中沢 新一
藤沢アースダイバーGen氏の影響で、なにか新しい中沢新一を読もう、と思って借りてきました。
「圧倒的な非対称」では宮沢賢治や北方民話をテキストに、狂牛病を自然(動物)のテロとして展開していく。言葉は難しくないし、北方民話もとても興味深く、一番理解できた。
ひとつ飛んで、「シュトックハウゼン事件」では、日本ではよくあるジャーナリズムの餌食の話だと思う。石原慎太郎(この人は政治家だけど、芸術家でもあるんだよね)の発言の一部を祭りたてるニュースも同じことじゃない?と思った。
タイトルの「緑の資本論」は正直に言って理解できませんでした。ただ、利子はお金の自己増殖で、一神教は自己増殖するモノを警戒してるっていうことと、イスラムの教えは利子を禁じるけど、キリスト教は13世紀に資本主義を認めざるをえなかった、ということだけ、覚えている。難しいなぁ。

中沢新一の「リアルであること」に書いてあった、「詩ではなく律法を」というフレーズをココロに、この7,8年やってきたのですが、今日、読めもしない原文が横に書いてあるという理由で「フランス名詩選」なんて本を借りてきてしまった。
先週、日本橋三越でコクトー展を見たせいもあるけど、詩もいいかな、って思えるようになりました。

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2005年08月03日

観光―日本霊地巡礼

ちくま文庫 中沢 新一 , 細野 晴臣
まったくスピリチャルでないわたしですが、神社仏閣好きなので純粋に楽しめました。
おそらく10年以上前に出版された本ですが、「希望をもたなくてもいい」という締めが、今のわたしには新しく感じました。
天河と高野山に近いうち行きたいです。

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遠い山なみの光

ハヤカワepi文庫 カズオ イシグロ, 小野寺 健 (訳)
一見唐突な会話が、日本風な間合いなんだろうか?
なぜかこの人の小説は風景描写が簡素だな、という印象を受けます。
原文でいつか読み直してみたいです。

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おい、ブッシュ、世界を返せ!

アーティストハウス マイケル・ムーア, 黒原 敏行 (訳)
訳が下品なのかな?皮肉が湿っぽくて面白くなかった。
ただ、911とフセインは関係ないのに、今もイラクでは人がたくさん亡くなっているということを思い出した。

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2005年07月08日

日の名残り

中央公論社 カズオ イシグロ,  土屋 政雄 (訳)

初めての作家の作品で、これほど静かに美しい物語を読むことができて、ほんとうによかった。
執事であるスティーブンスの一人称で語られるイギリスの田園風景や、屋敷についての描写は、少々物足りなさを感じるのだけど、それもまた作者の意図したものなのだろうと思う。
そして、イギリスの公爵から若いアメリカ人に仕えるようになって、ジョークを身に付けようと努力するスティーブンスには、なぜか笑いを誘われる。
ミス・ケントンとの別れのシーンでは、わたしはなぜか「マディソン郡の橋」を思い出だした。似ているというよりも、マディソン郡が安っぽいソープオペラに思えて、これこそつまらない言葉だけど、「大人の恋愛小説」だと感じた。(でもマディソン郡の屋根付き橋はわたしを魅了している。日本にも高知の山のなかに屋根付き橋があるそうで、一度ぜひ見てみたい)

カズオ イシグロは長崎生まれで、幼少の頃に海洋学者の父の都合で1960年頃イギリスに渡り、30年間一度も日本に来たことがなかったそうだ。アイデンティティ・クライシスに陥ることもなく、いくつかの文学賞を受賞した後、イギリス国籍を取得したとある。他の作品もぜひ読んでみたいと思う。

2012年のオリンピックの開催地がロンドンに決まって、G8サミットがイギリス北部で行われている最中の昨日、現地時間で午前9時頃、ロンドンの中心街での同時多発テロ(すでに断定されているようなのだけどいいのかな?)が起きた。死者が数十名、負傷者は数百名にのぼっているそうだが、まだわからないことも多い。
同じことが東京で起こってもなんらおかしいことはないのだと思う。ほんとうに残念としか言いようがなく、わたしには手も足も出ない。

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2005年06月11日

アメリカ文学のレッスン

講談社現代新書 柴田元幸

このところアメリカ現代モノばかり読んでいて、このあたりが10代後半からずっと好きで、久々に読んでも面白いものが多かった。
アメリカ現代小説は面白いけど、それがどう自分にとって活かされているのかはずっと不明で、ほんとうは知らなくてはならないことや、考えなくてはいけない問題からの現実逃避的な時間の消費でしかないのでは?と思っていたところ、この本を読んでちょっとだけ救われた。
「小説のなかの人物たちが<他者>を消費することについて考えようとするなら、少なくとも、なぜ自分がこれを面白いと思いあれをつまらなく思うのか、それもあわせて考えてみるべきだろう。」
そこで出てくるのがリチャード・パワーズの引用で、わたしは彼の小説を読んだことがないのだけど、その小説の中では、他者と自分、モノと自分というような対象と自分の関係について、「写真を見る人と見られる写真」を用いて論理的に描かれているようだ。別の小説の中では「翻訳」と言っていることを柴田氏は自分のファイルを更新していく、と表現している。
たしかに読後は「面白かった、つまらなかった」ということだけかもしれないけれど、15年ほどアメリカの現代文学を読んできて、わたしのファイルはやはり更新されてきている、と考えることもできそうだ。

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オウエンのために祈りを

新潮社  ジョン・アーヴィング, 中野圭二 (訳)

キリスト教の知識とか、宗教やその他のものへの信仰などがあれば、もっと強く共感できたり、この小説のテーマが捉えやすいのかもしれない。
残念ながらわたしはどちらも持ち合わせていなくて、他のアーヴィングの作品ほどは入り込めなかった。
だけど、(もちろん翻訳でしかわからないのだけど)美しい表現や、意味深いセンテンスをどこかにメモしておきたい、と思ったのは一度や二度ではなかったし、またいつか読み直す日が来るだろうと思う。
「ホテル・ニューハンプシャー」の「グレート ギャツビー」のように、この本の中にもいくつかの作品がでてくる。それらももちろん読んでみたいけれど、やはりディケンズを読まなければ、と思った。
ディケンズは「クリスマス・カロル」とイギリスのどんよりした曇り空のイメージから、わたしにとっては冬の作家なので、秋くらいから「デイビット・コパーフィールド」(岩波文庫から新しく出ている女の人が訳してるやつ、あれは読みやすそう)から読み始めたい。

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2005年06月01日

ヴァインランド

新潮社  トマス・ピンチョン, 佐藤良明 (訳)

初ピンチョンは380ページで挫折。
DLの日本での少女時代のあたりはぐいぐい読ませるし、「なんでこれ映画化されないの?」と思ったけど、フレネシの学生運動とかは、やはり時代背景やなんかがわからないとついていくのが難しい。
佐藤良明の訳はそれほど悪くないと思うのだけど、注釈はうんざりする。
まぁ、今の気分の問題もあるだろうから、またいつか挑戦しよう。
「V.」は学生の頃から読んでみたい!と思っているのだけど、読めるようになる日は来るのだろうか・・・。

一緒に図書館で借りたアーヴィングのオウエン・ミーニーもあまりすすまない。今回は読み終えることができないかもしれない。でもこんな文章が書けたらすてきだな、と思ったので引用しておく。
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今日、一九八七年一月三十日、トロントでは雪が降っている。犬の意見によれば、トロントは雪が降ると見違えるようになる。雪が降っているとき、犬を散歩に連れ出すのは楽しい。犬の熱狂ぶりが人にも伝染するからだ。
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この日、1987年1月30日のことを、わたしは覚えている。前日は、14歳の誕生日で、いろんなことを一人で考えたからだ。
そのとき、これから先もわたしはきっとこんな風なんだろう、と気落ちしながら思った。そして、今にいたるまで、何度も感じたことだけど、わたしはその時とあまり変わってないような気がする。

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2005年05月15日

タイタンの妖女

ハヤカワ文庫  カート・ヴォネガット・ジュニア, 浅倉 久志 (訳)

饒舌な男は嫌いだけど、ヴォネガットとアーヴィングは大好きだ。
途中はうんざりすることも多いけど、タイタンについてからの描写は本当に美しい。
S氏の通う心療内科のテストによると、わたしはパンクチュアルな意味で人にも自分にも厳しいらしい。
今度からハンドルchronoに変えようかな・・・最後にはタイタンツグミになって、飛んでいけるかも。

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2005年04月29日

時の贈りもの

筑摩書房 リンダ・グレース・ホイヤー 重兼芳子・裕子 (訳)
この連作短篇集は、会社のそばの画廊の前庭で古本として売られていた。
画廊の横では白い種類のサクラの花が散っていて、庭の芝生はやわらかい緑色で、本の表紙には一重のバラとマメ科の花とスズランが書かれていて、とても春らしい組み合わせだった。
まず、母のことを考えて、年老いて、連れ添ったひとや友達も亡くなっていって、時間がたくさんあるというのがどういうことなのか、知りたかった。
主人公エイダと母を比べると、あまりにもかけ離れている。美しい田舎で、時に周囲の人の気遣いを迷惑とも感じながら暮らすエイダと、ゴミゴミした都会で、近所づきあいもほとんどなく働く母。
夫に先立たれたエイダはわりとあっけらかんとしているのに対して、父が倒れたときの母の慌て悲しむ様子など、あとがきで訳者が相似点としてあげているような個人主義というところで、わたしの母とは異なっている。
次には自分に重ねてみたけど、わたしが70、80歳になるころには、世の中はどうなっていて、どうやって死を迎える準備をするのか、想像は難しい。
著者のリンダ・グレース・ホイヤーはジョン・アップダイクのお母さんで89年に亡くなっている。文中にもイラストレーターとして活躍する息子が出てくる。
残念ながら娘はたいした活躍もできてないけれど、この本を母の日に贈ることにした。何か伝わるだろうとは思う。

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2005年03月29日

海辺のカフカ

海辺のカフカ 新潮文庫 村上 春樹

一つ分からないことは、なぜカフカ君の代わりにナカタさんがジョニー・ウォーカーさんを殺さなくてはならなかったのかということ。
一つ分かったのは、村上春樹は書いているのは、地表とは違うオルタナティブだということ。
三つ思ったことのうちの一つは、「アンダーグラウンド」以降がわたしは好きかも、ということ。もう一つは大島さんのお兄さんの話は「偉大なるデスリフ」のアルフレッドのサーファーのお兄さんのもじり?ということ。三つ目は、カフカ君のイメージがBlueさんのご子息と重なったこと。
・・・ということは、Blueさんは赤いジャケットに白い乗馬パンツをはいて、黒い帽子をかぶったジョニー・ウォーカーさんになってしまう!?

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2005年02月23日

偉大なるデスリフ

新潮文庫 C.D.B. ブライアン 村上 春樹 (訳)

この本は、ハードカバーを大学の図書館で見つけて読んだ。
ラストシーンは苦々しくて、笑いたくなるけど、哀しいような感じだったことを覚えていたけど、今回(またしても)ブックオフで105円でゲットした文庫を読み直してみると、当時とは全然違った印象だった。
まず、冒頭のモールトンが不倫相手に同情的に言ってしまう言葉が、どっちの立場からも理解できる。二十歳やそこらでは分からなかった感情だろうと思う。
そして、ドラッグから抜け出した兄とハワイで過ごすシーンがとてもよかった。この部分はギャッツビーとの関連がわからない。ブライアンがギャッツビーをなぞる他に、オリジナルとして書きたかったのはここじゃないかな?と思った。
わたしには妹がいる。ほんといいやつで、愛してるし、両親に感謝してる。うまく言えないけど、彼女にこの部分だけでも読んでもらいたいな。
後半のデスリフの部分は、ギャッツビーの時代とデスリフの時代と今のわたしたちのとのギャップが面白かった。
デスリフはわたしたちの親の世代にあたると思うけど、日本とアメリカに女性の自立とかそんな意味合いで十数年のギャップがあるとすれば、アリスみたいな(デイジーみたいな)女の子はいるのかもしれない。今でいうセレブな主婦とかかな?
最近、二コール・キッドマンが主演した映画・・・そのあたりも今観たら面白そうだ。
しかし、文庫本の表紙のイラストが中途半端に80'sで内容と合ってない。ハードカバーはもっとやわらかい絵本みたいなタッチの男女が町を歩いてるやつだったと記憶している。

「グレート・ギャッツビー」を最初に読んだのが17歳くらいで、その当時はピンときてなかった。
まあ、夏目漱石や太宰治を読むように読んでおいたほうがよさそうだと思って読んだ。
大好きな「ホテル・ニューハンプシャー」でリリーがラストシーンを引用してるから、その後も何度か読み直しているけど、誰にも感情移入できない分、客観的に読める、おもしろい本だとは思う。
映画は見てないけど、ロバート・レッドフォードのギャッツビーははまってるだろうと思う。衣装はすべてラルフローレンと聞いた。それもステキだろうと思う。

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2005年01月30日

ルネッサンス

ダイヤモンド社  カルロス・ゴーン 中川治子訳
易しい言葉で語ることは重要なことのようだ。
なぜこの仕事をあなた(わたし)がするのかという理由とその責任範囲を明らかにすることがボスの役割だと読み取った。
教えてくれないボスがいたら聞いてみるのはいいことだと思う。
ブックオフで105円で買った本だったけど(1050円のシールの上に105円が張ってあった)いいんかな?

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2004年12月16日

オバはん編集長でもわかる世界のオキテ

新潮文庫 福田 和也 著
この強烈な表紙の本をブックオフで105円で購入。
福田和也がちょっと前から気になっていたので、簡単そうだし、ちょうどよいかなと思いました。
内容は2年前くらいの時事ネタなので古いし、へぇ〜と思えるネタも少ないのですが、大阪弁のオバはんの口の悪さがおかしかった。

「なんかアラビア半島って、紀伊半島に似てない。」(オバ)
「じゃあアフガニスタンは長野ですか。」(サル)
「となると、ゲッ、パレスチナは大阪や。」(オバ)

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2004年11月06日

『セブン・イヤーズ・イン・チベット―チベットの七年』 ハインリヒ・ハラー 福田宏年訳

『ダライ・ラマ自伝』よりずっと読みやすい。
あとがきに、ハラーは中国当局からマークされて、チベットに近づけないけどそれも「本望」と言ってるあたりに何かを感じて読み始めた。
ラサにつくまでの厳しい登山記録がほとんどだけど、後半はドーッと水が流れ込むようにチベット人にのめりこんでいく感じがよかった。
・・・違うかも。前半の脱走の間にも、チベットの地方の人々と出会ってるので、じわじわとなのかもしれない。

トラックバックしようと思って探したらすごい人を発見しました。
まだほとんど読んでないけど、全部読んでみたいです。

Miwa's bicycle trip around Tibet & India
三輪さんのアジア〜チベット自転車放浪記

つい最近、上記2冊ほか、河口慧海をお読みになった様子。
行く前じゃないんですね。現在の彼の地で読むとまた違った感じなんでしょうね。

投稿者 chiaki : 21:28 | コメント (2) | トラックバック

2004年10月20日

『犬の人生』 マーク・ストランド 村上春樹訳

トラックバックしようかと思って、未来検索で「マーク・ストランド」で検索した結果・・・みんな面白いのかどうか分かってないことが分かっておかしかった。
村上春樹や柴田元幸が訳してる本はあまりはずれないだろうと期待半分、暇つぶし半分。
『更なる人生を』で結構つかまれた!と感じたのですが、やはり小説より詩のほうがおもしろそうです。
使われている言葉は難解ではないと村上氏が言っているとおり、『Keeping Things Whole』の単語は簡単だけど、やっぱりそこは村上春樹の言葉だからおもしろいと私は感じるのかもしれない。
『物事を崩さぬために』より『死者』の方が好きです。

村上春樹の文体を楽しみたいソフトウェア関連職のひとはこれがおすすめです。
「村上春樹的みずほ銀行」
http://pc5.2ch.net/test/read.cgi/prog/1019137149/

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